会員向け情報

会員出版情報

2020年から2021年にかけて出版された会員の書籍です。

井原 宏
『国際技術ライセンス契約 そのリスクとリーガルプランニング』

(東信堂、2021) 300頁 3,200円+税

 本書は、企業が所有する知的財産の戦略としての国際技術ライセンス契約にかかわる法律問題についてどのようなリスクがあるか、そのリスクにどのように対処するかという視点から分析し、体系的に整理したものであり、実際の英文ライセンス契約の条項を参照しつつ、8つの章から構成されている。第1章 国際技術ライセン契約の機能と形態、第2章 国際技術ライセンス契約の交渉、第3章 ライセンス契約のリスクとリーガルプランニング、第4章 ライセンサーの義務のリスクとリーガルプランニング、第5章 ライセンシーの義務のリスクとリーガルプランニング、第6章 競争法による規制のリスクとリーガルプランニング、第7章 国際技術ライセンス契約の紛争解決、第8章 国際技術ライセンス契約関係の発展 である。
 本書執筆の動機は、筆者の企業時代の企画部門・法務部門におけるライセンスにかかわる実務経験、日本ライセンス協会における理事として他社の専門家との交流、WIPO・インドネシア政府主催のライセンスに関する国際セミナーの講師や5回にわたる特許庁主催の発展途上国向けライセンスに関するセミナーの講師としての経験から国際技術ライセンスに関する概説書の必要性を認識したことに由来している。

井原 宏
『企業経営のための経営法学』

(大学教育出版、2021) 297頁 3,000円+税

 本書は、企業経営にかかわる法律問題についての多様な視点を整理して、12の章から構成されている。第1章 企業形態、第2章 コンプライアンス経営、第3章 企業統治、第4章 事業戦略1、第5章 事業戦略2、第6章 事業戦略3、第7章 知的財産管理、第8章 取引管理、第9章 公正取引、第10章 人材管理、第11章 グループ子会社管理、第12章 紛争管理 である。
 現代の企業は、事業活動を展開するに際し、企業活動にかかわるさまざまな法律問題に直面する。そのような法律問題あるいは法律問題のベースとなる関係法律の理解なくして、企業を取り巻く環境の下で事業活動を推進することは不可能である。しかしながら、現代の企業経営にかかわる法律問題は多岐にわたり、かつ複雑であることから、その全容を把握し理解することは容易なことではない。本書は、企業経営にかかわる法律問題を体系的に整理し、その基本原則を理解しつつ、実際の企業経営に活かすことを目指すものである。
 本書執筆の動機は、筆者が慶應ビジネススクール(KBS)において、長年、「経営法学」という科目を担当した経験を踏まえて、経営法学の概説書が必要であるとの認識を深めたことに由来している。

阿部博友
『リーガルイングリッシュ』

(中央経済社、2021) 315頁 3,400円+税

 本書は、国際舞台で活躍するビジネスパーソンに不可欠なコミュニケーションの技法の中から法的なコミュニケーションの技法を分かりやすく解説した。法律英語は、難解であると言われ、敬遠されがちであるが、忙しい読者の便宜も考慮して5つのPART(全体で25のLESSON)に体系化して解説した。豊富な例文を紹介しつつ、文法の解説から英文契約書やビジネスレターの要点、そしてビジネスコミュニケーションの技術を実務に役立つようコンパクトにとりまとめた実用書である。
 本書の目次は以下の通り。

1 BASICS OF LEGAL ENGLISH
  (Legal Englishの誕生;コモンローとは何か ほか)
2 TECHNIQUES OF LEGAL ENGLISH
  (Legal Latinを知る;句読点と約物のきまり ほか)
3 LEGAL ENGLISH AND BUSINESS COMMUNICATION
  (対面コミュニケーションのスキル;法的要求文書の作法 ほか)
4 LEGAL ENGLISH ON CONTRACTS
  (不誠実な交渉の代償;契約書の解釈原理 ほか)
5 LEGAL ENGLISH FOR MANAGEMENT
  (役員の法的責任;カルテル規制と刑事罰 ほか)

 本書執筆の動機は、英語で法律を理解する力が、ビジネスの成否を左右するという実体験である。英語は得意でも、倒立英語はよく分からないというビジネスパーソンのために基礎から交渉術まで修得できるように解説した。一橋大学法科大学院における法律英語の教室で培ったノウハウを、多くのビジネスパーソンにも伝えられるように書籍化した。

高橋 均
『監査役監査の実務と対応(第7版)』

(同文舘出版、2021) 386頁 3,800円+税

 本書は、監査役・取締役監査等委員・取締役監査委員及びそのスタッフの方々を読者として念頭において、監査役等監査の実務とそれを裏付ける法制度の両面からアプローチを行った実務書。様々な実務に対応した80以上の豊富な実例や様式、重要論点のトピックスやQ&A、株主総会における30の代表的想定質問と回答方針等実務に役立つ情報も豊富に掲載している。初版の2008年から10年以上にわたり、監査役等の実務家から支持され続けて増刷・増版を重ねてきたバイブル的書籍。監査役等との連携を必要としている内部監査部門や会計監査人の読者も多い。

神山智美
『行政争訟入門(第2版):事例で学ぶ個別行政法』

(文眞堂、2021) 186頁 2,420円+税

 本書は、「社会に出る前に知っておきたい行政争訟(行政救済法)」として、主に行政個別法の主領域と、学部生の興味関心を踏まえて行政領域ごとに構成したものである。
行政法の学習は、「行政法総論」と「行政救済法」に終始することになりがちであり、抽象性の域を出づらい。小中学校時代から学んできた憲法とは異なり、「難しい」印象を抱かれてしまうのも難点である。だが、実社会における活用までを視野に入れると、身近な行政領域の事例および裁判例の中で、学んだ抽象論を確認するという学びが必要になると筆者は考えており、そのためのテキストである。
 もちろん対象は広く、公務員になる人、会社員になる人、起業する人、家庭内ライフイベントにも必読と考える。子どもが「待機児童」になりそうなとき(福祉行政)、生活保護世帯の引っ越しはどうなるの(社会保障行政)、「パワハラ」「セクハラ」「マタハラ」「SOGIハラ」等に関する法律(労働行政・市民生活行政)、新型コロナウイルス感染症対応の法律について(公衆衛生行政)、動物愛護と殺処分(動物行政)、採卵鶏や家畜のアニマルウェルフェア(動物福祉)とは(産業行政)、ヘイトスピーチやフラッシュモブにはどんな規制があるのか(表現の自由と公物管理)等、オーソドックスな許認可行政(産業振興行政)や警察・消防行政に限らず、学部生の関心に寄り添った書である。

加藤友佳
『多様化する家族と租税法』

(中央経済社、2021) 264頁 5,000円+税

 本書は、働き方や婚姻制度などのライフスタイルの多様化に着目し、家族と租税法に係る諸外国の判例等について比較分析を行ったうえで、わが国の家族税制に理論的検討を加えるものである。本書の構成は、第1編 家族と租税法、第2編 結婚と租税法、第3編 同性カップルと租税法、第4編 社会と租税法の、4編9章からなっており、新しい家族制度とそれに対応する租税法のあり方について体系的な検討を行っている。
 国際的潮流として多様な家族のあり方を認めて法改正を行う国が急増しており、同性パートナーが租税法上の配偶者となる選択肢が保障されていることから、本書ではアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、EUを中心に制度および判例を整理し、比較法的考察を行った。そのうえで、日本租税法における同性パートナーの可能性を探るべく、借用概念と準拠法というアプローチから、同性婚配偶者および登録パートナーの準拠法上の性質を類型化することにより、租税法上の配偶者と同性パートナーの法的研究の糸口を示すものである。

登島和弘
『ここからはじめる企業法務‐未来をかたちにするマインドセット』

(英治出版 2021) 256頁 1,800円+税

企業法務はこんなに面白い!
〇ビジネスを前に進める上では欠かせないにもかかわらず、その実態が見えづらい企業法務という仕事。法務パーソンとしてキャリア30年以上の著者が、その仕事の本質と全体像を分かりやすく解説し、その面白さを伝える一冊。

<本書の特徴>
〇対話をベースにした分かりやすさ
上司と部下の対話を軸に分かりやすく解説。著者の長年の経験に基いた現場のリアリティを追体験できる。
〇現場で求められる「マインドセット」に着目
法律の知識や英語力などだけでなく、企業法務という仕事に特有の「マインドセット」があることを提示。

<目次>
第1章 企業法務の実像 第2章 イシューを発見する 第3章 危険を察知する
第4章 着地点を探す  第5章 「視える化」する  第6章 視野を広げる
第7章 企業法務の未来を描く

阿部博友
『ブラジル法概論』

(大学教育出版、2020) 242頁 3,080円+税

 本書は、「秩序と発展」を国是とするブラジルの法体系について歴史的成り立ちから現在までの姿を概説し、さらに著者の専門分野である経済法についてブラジルの特徴を考察したものである。第Ⅰ編は法構造と司法制度を平易に解説し、第Ⅱ編は会社法、競争法、腐敗防止法および仲裁法の4つの主題から現代ブラジル法の特質を追究した研究や実務に役立つ概説書。本書の構成は以下の通り。

第I編 ブラジル連邦共和国の法制度
序 論 ブラジル法の形成過程
第1章 1988 年憲法・政治体制・司法制度
第2章 刑法および刑事訴訟法
第3章 民商法
第4章 民事訴訟法・倒産法
第5章 企業法・資本市場法
第6章 経済法
第7章 知的財産権法
第8章 労働法

第II編 ブラジル経済法の論点
序 論 経済秩序の形成と法
第1章 ブラジル株式会社法の概要と特質
第2章 競争法の歴史的展開
第3章 腐敗防止のための法人処罰法
第4章 国際商事仲裁と法

 本書執筆の動機は、優れたブラジルの法制度を概括的に照会することによって、わが国に紹介したいという筆者の永年の願いである。1988年から5年間ブラジルに滞在し、企業法務に携わった経験や、その後大学院でブラジル会社法の研究を継続した実績などを本書に著し、ブラジルに関心のある読者の参考に供した。なお、日本貿易振興機構(JETRO)の二宮康史志先生の書評が以下に掲載されている(http://www.js3la.jp/journal/pdf/ronshu54/54_ninomiya.pdf)。

高橋 均
『実務の視点から考える会社法(第2版)』

(中央経済社、2020) 325頁 3,100円+税

 本書は、著者の企業実務(法務等のコーポレート部門)及び法科大学院での教鞭の双方の経験が活かされた書籍。膨大な条文数のある会社法について、株式会社の重要な項目について、その立法趣旨も含めて丁寧に解説している。実務の視点が念頭にあるため、伝統的な会社法の体系書とは異なり、第1編 会社機関 第2編 株式 第3編 計算 第4編 資金調達 第5編 組織再編 第6編 会社設立と解散 の解説の順番としている。また、会社法を初めて学習する読者の利便性を考えて、会社法の読み解き方や商法と会社法の関係等、会社法を理解する上で役立つ記載もある。さらに、読者の理解の促進のために、各章に事例問題を掲載するとともに、考える際のポイント・関連条文・解答骨子も記述している。この理由は、本文解説の内容の確認とともに、具体的な場面で会社法を当てはめることの重要性を認識してもらうことを狙いとしているからである。
 株式会社運営を行うための基本法である会社法を法理論と企業実務の両面から理解し活用されることが本書の目的である。会社役員や基幹管理職の社内研修用として使用している会社も多い。会社法について、今までまとまって学修する機会がなかった方はもちろんのこと、商法とは条文構造も内容も大きく異なった会社法を再確認されたいと考える読者に特に有用である。

今村 隆
『課税分配ルールのメカニズム』

(中央経済社、2020) 424頁 4,800円+税

 本書は、租税条約における事業所得,給与所得などの各種所得について締約国のいずれが課税権を有するかを定める配分ルールについて,OECDのモデル租税条約を中心に各国裁判例を多数紹介して分析し,あるべき解釈を示すものである。
 また,本書は,このような配分ルールの基本メカニズムを明らかにするとともに,①租税条約が二国間を超える関係にも適用されるか,②租税条約は盾にすぎないのか,剣ともなり得るのか,③租税条約は,二重課税の排除だけが目的か,それとも二重非課税の排除も含むかといった租税条約についての本質的問題を解明することを目標とするものであり,筆者の見解を展開するものである。 これまで配分ルールについての同様の体系書はなく,実務家だけでなく,研究者や大学院生にも参考になるものである。

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