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| 会長挨拶 |
2011−2012会長、黒澤 努
(大阪大学医学部実験動物医学教室) |
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このたび私は、新しくなった学会規則に基づき選出され、第23回総会にて2011年1月1日より第12期会長を務めるよう求められました。前任の大野前会長のようなしっかりした仕事ができるとは思われませんが、選出された以上は確実な役割を果たしたいと思っておりますので関係者の皆様にひとことごあいさつ申し上げます。
日本動物実験代替法学会は昨年ご逝去された菅原努先生らの呼びかけで1982年に連絡会が作られ、日本動物実験代替法研究会が設立されたことに始まります。この研究会は動物実験代替法に関する世界初の学術団体でした。やがて、日本動物実験代替法学会と名称変更は行っておりますが、設立以来30年間に渡り、この分野の学術研究をリードしております。国際的な動物実験代替法研究に大きな影響を与えたのが2003年に出された欧州化粧品指令7次改正であったとされています。この指令では化粧品原料および製品の動物実験を段階的に禁止していくことが規定されました。2013年までにはすべての例外を認めないという極めて厳しい規制措置がとられたのです。このため化粧品業界を中心に動物実験代替法、とりわけ動物実験に置換される方法の開発が精力的に行われ、本会の中心的な研究課題となっています。
動物実験代替法研究において更なる重要な決定が欧州議会で2007年になされました。これはREACHと略称される化学物質の安全性確認の規制で欧州で使用されるすべての化学物質の安全性を確認して登録しなければならないとしました。この規制では安全性試験を動物実験で行うだけでなく代替法を開発して効率よく安全性を確認することも求めるものです。これに類似したTSCAと略称される有害物質規制が米国でも策定されました。とくに動物実験代替法の開発は急務だとされ、欧州ではその研究を行うECVAMが創設され、米国ではICCVAMが動物実験代替法促進のために設立されました。我が国でもJaCVAMが設立され、国際的な協調も活発となってきています。本会はこれらの機関とも協力し、国際的な学術研究を展開してきました。
このような動きの中、我が国の動物愛護法にもこの動物実験代替法の基本的考え方である3Rsの考え方が法文中に取り込まれることとなりました。こうした動きに呼応して本会は2007年に第6回世界動物実験代替法会議を東京で成功裏に開催しました。これにて本会が国際的にも広くその活動が知られるようになり、真にこの分野での国際的リーダーシップを発揮していることが認められたものと考えております。
ところが昨年ごろから新しい動きが出始めております。そのひとつが本会の活動の原動力の一つであった欧州化粧品の規制で2013年までに動物実験を全廃するはずであったものが、国際的な研究活動にも関わらず具体的な動物実験代替法が提案されず、実効の見通しに暗雲が濃く立ち込めました。さらに動物実験の国際的な規制が一層強まり、世界動物保健機関(OIE)は実験動物福祉綱領を国際標準として制定し、欧州ではEUの実験動物保護法が成立し、米国では実験動物の愛護と使用の指針が改訂されました。これら一連の事象はいずれも動物実験は今後も続けられることが前提となっている一方、国際標準、法、指針はいずれも3Rsが強調され、その確実な実効を求めています。とくに動物実験が今後も必要であるとなりますと、Reductionも重要ですが、Refinementにも相当の力点を置く必要に迫られましょう。
本会はこれまで行ってきたReplacementの学術活動を今後も引き続き行うことは当然ですが、かならずしも強調されてこなかった、ReductionさらにはRefinementに関する学術研究、およびその成果の啓蒙、普及活動にも力を入れざるを得ないものと思われます。このためには実験動物福祉などの研究活動を行っている学術団体、さらに動物福祉を実践している団体の皆様とも協調して3Rsの実践に向けた学術活動が必要となります。
浅学菲才な私ですが会員皆様のご援助によりつつがなく2年間の任期を全うすることができればと願っております。よろしくご協力ください。
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日本動物実験代替法学会会長
黒澤 努
(大阪大学医学部実験動物医学教室) |
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