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学会レポート

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学会レポートシリーズ 2014年国際神経精神薬理学会
(CINP: The International College of Neuropsychopharmacology)その3
(公財)東京都医学総合研究所・依存性薬物プロジェクト  西澤 大輔

 この度、カナダのバンクーバーにおいて開催された29th CINP (Collegium Internationale Neuro-Psychopharmacologicum) World Congress of Neuropsycopharmacology (会長 Anthony G. Phillips先生) の学会大会に参加しました。今回の大会は、私個人としては、2012年のストックホルムでの大会に引き続き、二度目の参加となりました。学会の初日に開催された(Receptionを含む)Opening Ceremonyの直後(実際には途中の時間から)においては、別会場にて、日本人参加者を中心として「世界の精神神経薬理分野において、日本のNeuropsychopharmacologyの臨床研究者・基礎研究者が一体となって、All Japanとしてリーダーシップをとって推進するための懇親を目的とする」CINP Japan Nightのパーティーが今回も企画され、その中でJSNP Excellent Presentation Award for CINP 2014の授賞式が行われました。私は前回の大会に引き続き、このような名誉ある賞を頂くことが出来まして、大変光栄に思います。そこで、雑駁になってしまいますが、大会自体についての感想、並びに授賞式を含めたCINP Japan Nightの感想を述べさせて頂きます。幾らかでも、本大会をあまりご存知でない方、また、本大会のような国際学会に関心のある方などの参考になれば幸いです。

 まずは、大会とは関係の無い余談ですが、旅行の準備段階において比較的安価な航空券を購入した私は、日本からの直行便ではなく、香港経由の乗継便の飛行機でバンクーバーに向かうこととなりました。ところが、飛行機の離陸のための準備が遅れたという理由であったかと思いますが、成田空港を1時間程度遅れて出発することになってしまいました。香港での乗継の時間は1時間半程度の予定でしたので、何とか乗継ぐことができるかと思い、香港国際空港に到着後、足早に乗継の方のゲートに向かいましたが、途中の壁に、私の名前の書かれたメモが掲示されており、その横に係員が立っているのを見つけました。話を聞いてみると、「これから乗継便に乗るのは無理なので、別の便に乗ってください」とのことでした。航空会社の都合でフライトが遅れたにも関わらず、勝手に別の便に変更させられ、その便は、何と予定していた便よりも8時間程度も遅い便でした。というわけで、やむを得ず空港で8時間程度の中途半端な時間を過ごすことになってしまいました…。旅行にトラブルはつきもの、とは言われますが、学会参加のための旅行に関しても同じです(国際学会は旅程が長いこともありトラブルに遭う確率は上がると思います)。国際学会は慣れていない方は、(私のようなトラブルを他山の石として、)余計に気をつけられると良いかと思います(本人が充分注意しても外因性のトラブルに遭う可能性もありますが)。

 さて、今回の大会が開催されましたバンクーバーは、私は初めて訪れましたが、街並みは、やはりアメリカに似ているように思いました(図1)。会場はVancouver Convention Centre(East Wing)という、海沿いで非常に見晴らしの良い場所でした(図2)。本大会においては、(毎度そのようであるかはわかりませんが、)北米での開催であったにも関わらず、日本人の参加者は多数派であったようで、大会のWebサイトによれば、「the Top 10 of the represented countries」としては、日本は開催国のカナダに次いで2番目に挙げられていました。このことは、Neuropsycopharmacologyの研究分野において、日本が枢軸の一翼を担っていると考えられるかもしれません。韓国や中国も挙げられていましたので、アジア各国は比較的重要な役割を果たしていると言えそうです。構成としては、シンポジウムや口演・ポスター発表などの他、Satellite Symposia、Plenary Lectures、Workshops、Debate、等の様々なプログラムが多数組まれており、プログラムの内容としては、ほぼ前回大会と同様のようでした。ただ、基礎研究のみならず、臨床研究やトランスレーショナル研究も含め多岐に渡る内容となっており、iPS cell technologyを駆使した最先端の研究成果の講演から、「そもそもepigenetics(メチル化等)とは何か?」といった基本的な内容のEducational Workshopまで幅広く網羅しているので、Neuropsycopharmacologyの研究分野が専門の方もそうで無い方も、また、(私が述べるのもおこがましいですが、)ベテランの研究者や臨床医の方のみならず、研究歴の浅い大学院生などにとっても、充分に得られるもののある学会と言えるかと思います。元々人類遺伝学研究分野が専門であった私にとっても、ポスター発表を含め、仮に遺伝学関連の演題ばかりを選択したとしても、全演題の中身を把握するのは難しかったように思います。総括致しますと、本大会における精神医学や神経科学、薬理学などの研究領域の研究者や医師の講演、及び研究者や医師との交流は、最先端の研究成果や治療の理解を促進する上で大変有意義であるように思いますので、本大会のような国際学会に普段あまり参加されていない方は、積極的に参加されてみることをお勧めします。

 準備の段階より少しお手伝いさせて頂いておりましたCINP Japan Nightに関しては、開場20:00、開会挨拶20:15、授賞式20:20、という開始予定時刻でしたが、実際には、大会のOpening Ceremonyの方が予定の時間よりも延長されたために、外国人の方を含めたVIPの先生方をはじめ各参加者の方々の会場への到着が遅れ、開始時刻がそれぞれ遅れることとなってしまいました。そのようなバタバタとした雰囲気の中、受付のお手伝いをさせて頂いた私は、一時中断して、JSNP Excellent Presentation Award for CINP 2014の授賞式に臨むこととなりました。ただ、スタートは遅かったものの、懇親会自体は、最終的には前回大会と同様に大盛会となったように思います(図3)。なお、本大会において受賞対象となりました私のポスター発表の内容は、主としてpsychiatric geneticsに関するもので、部分的に薬理遺伝学なデータを含むという形でしたので、他の演題と比較して幾分珍しい内容であったかと思いますが、今回このような立派な賞を頂くことができましたので、受賞者の名に恥じないように、また、受賞を励みとして、今後もNeuropsycopharmacologyの研究の発展に貢献できるよう、精進して参りたいと思います(図4)。
図1 (左上): 雨上がりの虹の架かるバンクーバー市街
図2 (右上): 大会会場のVancouver Convention Centre(East Wing)が位置するCanada Place
図3 (左下): CINP Japan Nightの会場(Ballroom Crystal Pavilion. Pan Pacific hotel)内の様子
図4 (右下): JSNP Excellent Presentation Award for CINP 2014の受賞者(筆者は右から二番目)