日本神経精神薬理学会
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学会レポート

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第53回NCDEU/ASCP Meeting参加記
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所
精神薬理研究部  山田光彦


 平成25年5月28日から31日まで、米国フロリダ州のハリウッドで開催された第53回NCDEU/ASCP Meetingに参加しましたので報告いたします。NCDEUはThe New Clinical Drug Evaluation Units の略で、向精神薬の臨床試験を適切に実施するために1959年に米国国立精神衛生研究所(NIMH)に設置されたThe Early Clinical Drug Evaluation Unitsを発端とする組織です。NCDEUという組織はもうないのですが、この名前を冠した学術集会として引き継がれ、50年以上にわたって向精神薬の臨床開発に貢献してきました。現在、NCDEU Meeting は米国臨床精神薬理学会(The American Society of Clinical Psychopharmacology)により開催されているので、実質的に米国臨床精神薬理学会の年会の役割を果たしています。そのため、今回の学会にも大学や他の研究機関等に加えて、米国国立衛生研究所(NIH)から、NIMH、国立薬物乱用研究所(NIDA)、国立アルコール乱用・依存症研究所(NIAAA)の代表が参加しておりました。また、米国食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁(EMA)といった医薬品規制当局の代表者を交えた議論も複数交わされていました。FDA申請資料の再解析結果から新規抗うつ薬の承認審査のための効果判定は4週後まで短縮しても十分ではないかといった議論もあり、興味が尽きませんでした。また、医薬品企業の臨床開発担当者からは、現在開発途上の新規向精神薬候補の紹介が多数なされていました。

 さて、今回この学会に参加した最大の目的は、京都大学の古川壽亮教授のもと我が国で進行中のSUN-D 研究(Strategic use of new generation antidepressants for depression: SUN-D study)の進捗を供覧し、米国のエキスパートから、研究成果の臨床的意義についての感触を探ることにありました。幸い、ポスター発表にいらした方々は、 SUN-D研究が解決しようとする臨床疑問が極めて現実的であること、2,000例という大きなサイズのプラグマティック研究であること、その追跡率の高さ(25週で95 %超え)に驚いていらっしゃいました。ペンシルバニア大学の Michael Thase 教授に「結果が楽しみだ!」と笑顔でおっしゃっていただけたことを大変うれしく思います。そして、さらに大変嬉しいことに、今回発表された187の一般演題の中から、私たちの発表が7つのベストポスター発表の1つに選ばれました。「These posters were selected by experts from NIMH and the American Society of Clinical Psychopharmacology who reviewed, rated, and discussed the posters with a focus on scientific merit.」とありましたので、大変、栄誉なことと思います。このような貴重な研究に、日本各地の45のクリニックの皆様をはじめ、SUN-D 研究の仲間達と一緒に参加しておりますことを大変誇らしく思っております。なお、今回の発表内容は、卒後医学教育用の教材として下記のThe CME Institute(The Journal of Clinical Psychiatryの出版社)のホームページで、無料登録の後に、閲覧できるようになっております。SUN-D 研究の背景や複雑なデザインを十分に理解いただくためにも、WEBで継続的に紹介いただけていることをありがたく思っています。これからも、日本の神経精神薬理学研究を世界に向けてアピールできたらと思います。今後ともよろしくご指導いただきますようお願いいたします。

2013 NCDEU Poster Session
http://www.cmeinstitute.com/postersession/index2013.asp#