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学会レポート

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学会レポートシリーズ 2015年アジア神経精神薬理学会
(AsCNP:Asian College of Neuropsychopharmacology)

(公財)東京都医学総合研究所・依存性薬物プロジェクト 西澤 大輔

この度、台湾の台北において開催されたThe 4th Asian College of Neuropsychopharmacology (AsCNP2015) (会長 Tung-Ping Tom Su先生) の学会大会に参加しました。今回の大会は、私個人としては、2011年のソウルでの大会に引き続き、三度目のAsCNPの大会参加となりました。前回参加のAsCNP2011大会では、学会の初日の(Receptionを含む)Opening Ceremonyの直後に、別会場にて日本人参加者を中心とするAsCNP Japan Nightのパーティーが企画されていましたが、今回は、AsCNPの大会期間中にJapan Nightは開催されず、JSNP Excellent Presentation Award for AsCNP 2015の授賞式は大会のClosing Ceremonyの時間にClosing Ceremonyとは別の会場において行われました。私は前回の大会に引き続き、このような名誉ある賞を頂くことが出来まして、大変光栄に思います。そこで、雑駁になってしまいますが、AsCNP2015の大会の感想を述べさせて頂きます。幾らかでも、本大会をあまりご存知でない方、また、本大会のような国際学会に関心のある方などの参考になれば幸いです。

今回の大会は11月20〜22日の期間に開催されましたが、同一会場において4th Asian Congress of Schizophrenia Research (ACSR 2015) 及びThe World Psychiatric Association International Congress 2015 (WPAIC 2015) の大会が合同で開催され、こちらはそれぞれ11月18〜20日及び11月18〜22日の期間でした。特に、後者の大会はAsCNP2015よりも規模が大きく、AsCNP2015の大会運営もWPAIC2015の傘下のような形でなされていたようで、抄録の登録などもWPAIC2015のWebサイトから行うことになっていました。そのためか、会場の設営などについてもWPAIC2015の特色が比較的目立っていたようでした(図1)。私の日程としては11月18〜22日のWPAIC2015の期間中の合同学会はほぼフル参加の予定でしたが、会場から遠くに位置するホテルを選択してしまったこともあり、思ったよりも移動などに時間がかかってしまい、初日のOpening Ceremonyに間に合いませんでした。台北の辺りは亜熱帯の気候に属するようなので、11月でも蒸し暑く、ホテルから会場まで健康のためと思い30分間程度の道のりを徒歩で移動したのですが、最初の5〜10分で汗がダラダラと出るような状態でした。

さて、今回の大会が開催されました台湾は、私が訪れたのは二度目でしたが、街並みの様子は、看板などの記載が漢字ばかりとなっていることを除けば、やはり比較的日本に似ているように思いました。会場はTaipei International Convention Center (TICC) というコンベンションセンターで、台北での主要な観光名所のひとつである台北101の近くでした(図2)。本大会においては、日本人旅行者も多い台湾での開催ということもあったのか、日本人の参加者は比較的多数派であったようにも思われました。このことはやはり、Neuropsycopharmacologyの研究分野において、日本が枢軸の一翼として重要な役割を担っていると考えられるかもしれません。構成としては、シンポジウムや口演・ポスター発表などの他、Satellite Symposia、Keynote Lectures、Special Lectures、State of the Art、等の様々なプログラムが多数組まれており、プログラムの内容としては、A WPAIC2015などとの同時開催という影響もあるのか、私が参加した前々回のAsCNP2011大会とは構成がやや異なる感じになっておりました。また、WPAIC2015の大会がメインの合同学会であったとはいえ、ACSR 2015及びAsCNP2015の固有のシンポジウム等も組まれていました。研究内容としては、依然として幅広いジャンルをカバーしているので、Neuropsycopharmacologyの研究分野が専門の方もそうで無い方も、また、(私が述べるのもおこがましいですが、)ベテランの研究者や臨床医の方のみならず、研究歴の浅い大学院性などにとっても、充分に得られるもののある学会と言えるかと思います。総括致しますと、本大会における精神医学や神経科学、薬理学などの研究領域の研究者や医師の講演、及び研究者や医師との交流は、最先端の研究成果や治療の理解を促進する上で大変有意義であるように思いますので、本大会のような国際学会に普段あまり参加されていない方は、積極的に参加されてみることをお勧めします。

本大会においては、私はシンポジウムとポスターの両方の発表をすることになっており、少し準備が大変でした。シンポジウムでは、私以外のシンポジストとしては双極性障害に対するリチウムの治療効果に影響するGADL1遺伝子多型に関する研究内容で近年The New England Journal of Medicine誌に論文を公表されたChau-Shoun Lee先生 (Taiwan) をはじめ、Po-Hsiu Kuo先生 (Taiwan) 、Ichiro Sora 先生 (Japan) 、などでした(図3)。私としては初めての海外での本格的な口演発表で、しかもシンポジウムということもあり発表時間が通常の口演発表などより長めなので、入念に準備をしようと、スライド提出期限の直前のぎりぎりの時間まで会場内の部屋でファイルの確認・改訂等を行っておりました。その後シンポジウムでの発表が始まり、途中までは順調に喋っていましたが、ある時点で、準備したはずのスライドが一枚抜けていることに気付いて、息を呑み、言葉が出なくなってしまいました。少しの間、前後のスライドを確認してみましたが、やはり見つかりません…。その後、やむを得ずそのスライドを抜かして発表を続けましたが、その時は何故無くなっていたのか検討が付かず、かなりショックでした。後に、事務局に提出したはずのスライドファイルを確認してみましたが、そのファイルにおいてもそのスライドが無いことが分かりました。つまり、提出後に不具合が起こったのではなく、提出直前に、自分でスライドを確認している段階で、誤ってそのスライドを選択したままBack spaceキーを押すなどして、そのスライドを削除しまっていたようです…。自分の不甲斐無いミスに愕然とするとともに、今後は提出前の確認はもっと余裕をもって充分慎重に行うようにすると決意しました。

JSNP Excellent Presentation Award for AsCNP 2015の授賞式は先述のように大会のClosing Ceremonyの時間にClosing Ceremonyとは別の部屋の会場において行われましたが、その部屋で授賞式が行われることは、なんと本大会では事前には一部の応募者に通知が届いたのみであったようです。私の方には不運にも通知が届いておらず、授賞式の開始時、私は実際にClosing Ceremonyに参加しておりましたが、その途中で、同一所属機関の池田和隆日本神経精神薬理学会(JSNP)現理事長に声を掛けられ、慌てて授賞式会場へ案内されて、漸くそこで授賞式が行われることを理解しました。後で聞きましたが、池田理事長もClosing Ceremonyの時に別の先生よりそのことをご教示頂いたそうです。そのようにして、バタバタとした状況の中、授賞式に臨むこととなりましたが、なんとか受賞者発表の時間に間に合い、記念撮影も受けることができました(図4)。なお、本大会において受賞対象となりました私のポスター発表の内容は、主としてpharmacogenetics/pharmacogenomicsに関するもので、他の演題と比較して幾分珍しい内容であったかと思いますが、今回このような立派な賞を頂くことができましたので、受賞者の名に恥じないように、また、受賞を励みとして、今後もNeuropsycopharmacologyの研究の発展に貢献できるよう、精進して参りたいと思います。

写真 - 左上:WPAIC2015色が際立つ会場内の様子。
写真 - 右上:台北101近くの大会会場(Taipei International Convention Center)外観の様子。
写真 - 左下:筆者(後列左から一番目)が発表を行ったシンポジウムにおいてシンポジストを務められたPo-Hsiu Kuo先生 (Taiwan) (後列左から二番目)、Chau-Shoun Lee先生 (Taiwan) (後列右から二番目)、Ichiro Sora 先生 (Japan) (後列右から一番目)、及び座長を務められたChia-Hsiang Chen先生 (Taiwan) (前列左)、Kazutaka Ikeda日本神経精神薬理学会現理事長 (Japan) (前列右)。
写真 - 右下:石郷岡先生と受賞の記念撮影に臨む筆者。

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