日本神経精神薬理学会
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学会レポート

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学会レポートシリーズ 2015年アジア神経精神薬理学会
(AsCNP:Asian College of Neuropsychopharmacology)

東京都医学総合研究所依存性薬物プロジェクト 古田島 浩子

2015年11月20日から22日に台湾・台北で開催されたアジア神経精神薬理学会に参加いたしました。アジア各国を始め、多くの研究者が集い、活発な学会で大変刺激を受けました。その中で、今回のAsCNP2015ではJSNP Excellent Presentation Award for AsCNP 2015を受賞させていただき、誠に光栄に存じます。

今回、アジア神経精神薬理学会に初めて参加させていただきました。台湾・台北は幼少時を過ごした場所であり、親しみと懐かしさを持って、11月の台湾に降り立ちました。夜に到着しましたが、治安も良く、にぎやかな繁華街の中を現地のホテル案内スタッフとリラックスしながら、歩いた記憶があります。

学会は基礎から臨床に至るまで多くの発表があり、活気ある雰囲気の中、多くの議論が交わされていました。私は自閉症モデルマウスを用いた基礎研究を中心に行っておりますので、自閉症モデルマウスと腸内細菌との関連を示した研究が印象に残りました。poly(I:C) 曝露によって作製された自閉症モデルマウスは、腸内細菌バランスの失調を示し、不安様行動や常同行動、超音波、社会性行動について異常を示すのですが、ペレットにてBacteroides fragilis NCTC8343 (B. fragilis)を仔に食べさせると、増加していた腸内細菌が正常レベルに戻り、行動においても不安様行動、常同行動、超音波にそれぞれ改善が見られるようです。自閉症は現在も、病態が明確でなく、根本的な治療方法は見つかっていません。自閉症に関して脳を調べるだけでなく、体全体で何が起こっているのか、それらがどのように影響し合っているのかを、追究していく必要があるのかもしれません。また、学会では臨床現場における取り組みに関する講演なども拝聴でき、大変興味深かったです。精神疾患に罹患した若者にとって通いやすい施設の環境づくりのために、サービスの一つとしてSNSを使用できる環境を整備したことなどは、「現場」の話だなと強く印象に残っています。

本学会において、基礎から臨床に至るまで多くの研究に刺激を受け、自分の研究を見直すとともに、患者さんの役に立ち、なおかつ基礎研究として面白い研究を行いたいと改めて決意いたしました。

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