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学会レポート

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学会レポートシリーズ 2016年国際神経精神薬理学会
(CINP: The International College of Neuropsychopharmacology)

(公財)東京都医学総合研究所・依存性薬物プロジェクト 西澤 大輔

この度、韓国のソウルにおいて開催された30th CINP (Collegium Internationale Neuro-Psychopharmacologicum) World Congress of Neuropsycopharmacology (会長 山脇成人先生、Jun Soo Kwon先生) の学会大会に参加しました。今回の大会は、私個人としては、2014年のバンクーバーでの大会に引き続き、三度目のCINPの大会参加となりました。前回の大会では、学会の初日の(Receptionを含む)Opening Ceremonyの直後(実際には途中の時間から)において、別会場にて、日本人参加者を中心とするCINP Japan Nightのパーティーが企画されていましたが、今回は、同会場において直前の日程で懇親会を含むJSNP2016の大会が開催されていたためか、CINPの大会期間中にJapan Nightは開催されず、JSNP Excellent Presentation Award for CINP 2016の授賞式はJSNP2016の大会の懇親会において行われました。私は前回の大会に引き続き、このような名誉ある賞を頂くことが出来まして、大変光栄に思います。そこで、雑駁になってしまいますが、大会自体についての感想、並びに授賞式を含めたJSNP2016の大会の懇親会の感想を述べさせて頂きます。幾らかでも、本大会をあまりご存知でない方、また、本大会のような国際学会に関心のある方などの参考になれば幸いです。

今回の大会はJSNP2016の大会と合わせて7月2〜5日の期間に開催されましたが、今回の開催期間中はとにかく天気が悪く、大雨が降っていた日もあり、ほとんど晴れ間が無かったように思います。私の日程としては前日の7月1日に入国して会場の視察などをしておりましたが、その日も大雨となっており、空港から会場までは電車が直通でしたので問題無かったのですが、会場からホテルへ向かう際のスーツケースを転がしながらの屋外の移動には、場所の土地勘が無いこともあり、些か苦労しました。日本からは小型の折り畳み傘を持参していたのですが、そのような傘では雨粒を充分に防ぐことが難しい程の大雨でした。帰国前日の7月4日の夜には今回の学会出張におけるお土産の購入目的もあり明洞の街へ足を運んだのですが、その時も終始纏まった雨が降っており(図1)、屋台で食べ歩きをする人たちも傘がぶつかり合うなど大変そうな状況でした。後に知ったことですが、通常はこの時期は梅雨前線が日本列島上でも本州、特に関東地方の緯度の辺りに停滞することが多いものの、本年は少し北上しており、ソウルの辺りに停滞して、しかも活発化していたようです。(帰国後に知りましたが、日本のニュースで報じられるほどの大雨であったようです。)旅行にトラブルはつきもの、とは言われますが、学会参加のための旅行に関しても、何が起こるかが分からないのは同じです(国際学会は旅程が長いこともあり何らかの不運なアクシデントに遭う確率は上がると思います)。国際学会は慣れていない方は、(本人が充分注意しても外因性のトラブルに遭う可能性もありますが、)余計に気をつけられると良いかと思います。

さて、今回の大会が開催されました韓国は、私が訪れたのは二度目でしたが、街並みの様子は、看板などの記載がハングル文字となっていることを除けば、やはり比較的日本に似ているように思いました。会場はCOEX MALLというコンベンションセンターで(図2)、韓国仏教の最大宗派の伝統寺院とされる奉恩寺の近くでした。本大会においては、前回のような北米はなく日本の隣国の韓国での開催ということもあったのか、日本人の参加者は多数派であったようで、盛会であった直前のJSNP2016大会の流れをそのまま引き継いでいるようにも思われました。このことはやはり、Neuropsycopharmacologyの研究分野において、日本が枢軸の一翼として重要な役割を担っていると考えられるかもしれません。構成としては、シンポジウムや口演・ポスター発表などの他、Satellite Symposia、Plenary Lectures、Workshops、Presidential Symposium、等の様々なプログラムが多数組まれており、プログラムの内容としては、ほぼ前回大会と同様のようでした。ただ、今回は、前回と異なり4〜5日間ではなくほぼ3日間程の日程でプログラムが組まれていた点、及びPoster Sessionsが夕方ではなく昼間の昼食時の時間帯に組まれていた点等が構成上の大きな相違点かと思います。また、Indian Symposium、Asian Symposium、Taiwanese Symposiumのような、地域的な研究の背景などが内容に盛り込まれたシンポジウムが組まれていたことが印象的でした。研究内容としては、依然として幅広いジャンルをカバーしているので、Neuropsycopharmacologyの研究分野が専門の方もそうで無い方も、また、(私が述べるのもおこがましいですが、)ベテランの研究者や臨床医の方のみならず、研究歴の浅い大学院性などにとっても、充分に得られるもののある学会と言えるかと思います。総括致しますと、本大会における精神医学や神経科学、薬理学などの研究領域の研究者や医師の講演、及び研究者や医師との交流は、最先端の研究成果や治療の理解を促進する上で大変有意義であるように思いますので、本大会のような国際学会に普段あまり参加されていない方は、積極的に参加されてみることをお勧めします。

JSNP Excellent Presentation Award for CINP 2016の授賞式が行われたJSNP2016の大会の懇親会は、会長が私と同所属のスタッフということもあり、準備の段階より少しお手伝いさせて頂いておりました。約1時間30分という限られた時間の中で、参加者どうしの歓談の時間以外に、各先生方の挨拶、各種の受賞式、及び次回大会告知、等の様々な時間がタイトに設定されており、段取り通りに進行するかどうかが不安でしたが、(最終段階頃に計画されていた参加者の席替えの予定が変更されたものの、それ以外は、)概ね順調に進行し、ほぼ予定の時刻通りに終了することとなりました。ただ、私自身は座席指定された様々な先生方を指定席に誘導したり(図3)、JSNP Excellent Presentation Award for CINP 2016の授賞式の際には受賞者が整然と整列できるように導く役割の係でしたので、バタバタとした状況の中、授賞式に臨むこととなりました。受賞者は記念撮影に臨む予定でしたが、私は係の役割として整列しつつある受賞者の列の人数を遠くから数えるなど様子を見ている間に、記念撮影の壇上に上がりそびれてしまい、写真に写らずに終わってしまいました(図4)。ただ、受賞者の人数はCINP2014の大会の時と比較してかなり増加していたようで、Neuropsycopharmacologyの研究分野における若手研究者の層が厚くなっているということなのか、あるいは単に今回の大会では隣国の韓国での開催ということもあり日本からの参加者が多かったためにそれに比例して受賞者が多かったということなのか、詳しくは分かりませんが、ともあれ、懇親会自体は、最終的には前回大会と同様またはそれ以上に大盛会となったように思います。なお、本大会において受賞対象となりました私のポスター発表の内容は、主としてpharmacogenetics/pharmacogenomicsに関するもので、しかも網羅的SNPアレイを用いた解析でしたので、他の演題と比較して幾分珍しい内容であったかと思いますが、今回このような立派な賞を頂くことができましたので、受賞者の名に恥じないように、また、受賞を励みとして、今後もNeuropsycopharmacologyの研究の発展に貢献できるよう、精進して参りたいと思います。

写真 - 左上:大雨に見舞われるソウル(明洞)市街。
写真 - 右上:大会会場(COEX MALL)内の様子。
写真 - 左下:JSNP2016の大会の懇親会の会場(COEX 1F 102+103)にて参加者の誘導を行う筆者。
写真 - 右下:JSNP Excellent Presentation Award for CINP 2016の受賞者(筆者は不在)。

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