日本神経精神薬理学会
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学会レポート

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学会レポートシリーズ:2014年国際神経精神薬理学会
(CINP: The International College of Neuropsychopharmacology)その9

藤田保健衛生大学 萩原英雄

この度、ポスター発表演題におきまして、JSNP Excellent Presentation Award for CINP 2014を受賞しましたことを大変光栄に存じます。日々の研究成果がこのような賞に繋がり大変嬉しく感じています。ご指導ご鞭撻を賜りました皆様、学会関係者の方々にこの場をお借りして深く御礼申し上げます。今回の受賞を励みに、今後とも研究に邁進していきたいと考えております。

私は今回、CINP大会に初めて参加いたしましたが、ノーベル賞受賞者であるBrian Kobilka教授の講演も拝聴でき(https://www1.cinp-congress.org/guest/ID35da8943110cb9/AbstractView?ABSID=11277)、大変有意義に過ごすことができました。Kobilka教授は、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)の一種であるアドレナリン受容体の構造解析や機能解析などの一連の研究によって、2012年にRobert Lefkowitz教授とともにノーベル化学賞を受賞されました。GPCRを介したシグナルは、様々な細胞においてその正常な機能の発揮に重要な役割を果たしており、かつ、その異常は多くの疾患に関与していることが知られています。現に、これまでに開発された医薬品の少なくとも3割はGPCRを標的にしているとされています。精神疾患領域においても、例えば、ハロペリドールやクロザピン、リスペリドン、クエチアピン、オランザピン、アリピプラゾールなど、GPCRファミリーに属するドーパミン受容体やセロトニン受容体などに作用することが知られている薬が多くあります。現在の創薬研究においてもGPCRシグナルは重要なターゲットのひとつであるということを製薬企業の方からもお聞きし、まさに創薬研究の礎となる研究であると思いながらKobilka教授の講演を拝聴しました。

今大会は臨床研究やトランスレーショナル研究についての演題がかなりの割合を占めており、普段、基礎系の学会に参加している私にとっては、臨床研究の現状を知ることのできる貴重な機会でありました。それと同時に、いかにして成果を社会に還元していくか、という視点を持って研究を行うことの重要性を改めて認識できた学会でした。

photo 写真:会場のコンベンションセンターから眺めた夜9時のバンクーバー湾。6月下旬、北緯49度のバンクーバーの日の入り時刻は21時を過ぎており、この時間でも外は薄らと明るい。時差ぼけとは違った、不思議な時間の感覚に襲われる。