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学会レポート

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学会レポートシリーズ:2014年国際神経精神薬理学会
(CINP: The International College of Neuropsychopharmacology)その10

東京都医学総合研究所依存性薬物プロジェクト 佐藤敦志

2014年6月22日から26日にカナダ・バンクーバーで開催された29th CINP World congress of Neuropsychopharmacology (CINP2014)に参加いたしました。CINP2014ではJSNP Excellent Presentation Award for CINP2014を受賞させていただき、誠に光栄に存じます。

今回、はじめてCINPへの参加となりました。6月のバンクーバーは上着を用意していくとよいでしょうとのことでしたが、空港に降り立ってみると、特にその日は天気がよかったのか、カラッと晴れたすがすがしい初夏の陽気でした。空港前から電車に乗り、見晴らしのよい車窓をぼんやり眺めながら、これが空港からバンクーバー市街地へのアクセスを劇的に改善したのだろうかと想像しました。海外の学会というと、到着早々にタクシーをつかまえて行先を伝えたものの、本当に着くか不安になることが多いのですが、今回は若干リラックスした気がします。

オープニングセレモニー後のJapan Nightでは、国内外のご高名な先生方をはじめ、100人を優に超える参加者があり、改めて日本からの参加者の多さと、CINPにおける重要性が感じられました。私はお手伝いとして受付にいたり、1階で道案内をしたりしていました。ご招待を受けた海外の先生(残念ながらお名前を失念してしまいました)がご夫妻でお見えになり、「盛大な会にお招きいただき光栄です」と、道案内の私へお礼の言葉をかけていただきました。その間に受賞者の写真撮影が終わっていたのですが。

もともと小児科医なので精神科領域の話題に触れることが少なく、臨床も基礎も広く扱うCINPの内容は、ほかの参加者の先生方が感じる以上に斬新でした。私の発表はmTORと自閉症の関連についてでしたので、それに関係するセッションを拝聴しました。ひとつはケタミンの薬理作用についてで、その抗うつ作用がmTORの活性化(自閉症やてんかんとは逆)を介することやその機序について最新の知見が盛りだくさんでした。もうひとつ、mGluRをターゲットとした精神神経疾患の治療に関するシンポジウムも拝聴しました。この領域の研究が臨床でも盛んであることは知っていましたが、思ったような治療効果がなかなか示されず薬物開発が進まないなど、厳しい現状を知ることになりました。都合により最終日を待たずに帰国しましたが、興味を惹かれる話題が目白押しで非常に刺激になりました。

最後に、JSNP Excellent Presentation Award for CINP2014の受賞につき、ご指導いただきました先生方に深く御礼を申し上げます。大学院を卒業後は小児科の臨床現場に戻っており、これまで以上に研究に精進することは難しいのですが、いま研究に日々取り組んでいる先生方とともに、ソウルで行われる次回のCINPが盛大な会となるよう僅かでも協力できればと思います。