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NeuropsychoTRENDS

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モノアミントランスポーター
2013.4
曽良一郎
神戸大学大学院医学研究科精神医学分野

モノアミンの放出、および再取り込みに関与するモノアミントランスポーターは抗うつ薬や中枢刺激薬の標的分子であり、細胞膜トランスポーターとシナプス小胞トランスポーターの2種類がある。細胞膜モノアミントランスポーターは、神経終末の細胞膜に存在し、Na/Cl-依存的にモノアミンを神経終末内に取り込む膜蛋白質で、アミノ酸トランスポーターなどとともにファミリーを形成する。ドパミントランスポーターは、コカイン、メチルフェニデート、メタアンフェタミン等の中枢刺激薬の標的分子であり、ノルノルエピネフリントランスポーター、セロトニントランスポーターは抗うつ剤の標的分子であり、躁うつ病、不安などの病態に関与していると考えられている。一方、シナプス小胞モノアミントランスポーターは、ドーパミン、 ノルエピネフリン、 セロトニン、ヒスタミンすべてのモノアミンを基質とする単一の蛋白で、神経終末内のシナプス小胞膜に存在し、シナプス小胞アセチルコリントランスポーターとともにファミリーを形成している。このシナプス小胞モノアミントランスポーターは細胞質で合成されたモノアミンをH依存的にシナプス小胞に貯蔵し、シナプス間隙へのモノアミン放出に備える。コカイン、メチルフェニデート、抗うつ剤が細胞膜モノアミントランスポーターを阻害し細胞外モノアミンを増加させるのに対して、メタアンフェタミンは細胞膜モノアミントランスポーターの阻害作用に加えてに交換拡散によりモノアミンを細胞外へ放出させることで、細胞外モノアミン濃度を増加させる。また、メタアンフェタミンはシナプス小胞モノアミントランスポーターを阻害し、神経終末内シナプス小胞外分画のモノアミンを増加させるなど複雑な作用機序を有する。細胞膜、シナプス小胞モノアミントランスポーターは神経終末内外の分画のモノアミン濃度を調節することによりモノアミン神経伝達を制御している。

【文 献】
1) Gether U, et al Neurotransmitter transporters: molecular function of important drug targets. Trends Pharmacol Sci, 27(7): 375-383. (2006)
2) 曽良 一郎、他. 依存性薬物の分子標的としてのモノアミントランスポーター. 日本薬理学雑誌, 130(6): 450-454 (2007)