会長挨拶

会長 岩中督

第50回 日本小児外科学会学術集会 会長
東京大学大学院医学系研究科小児外科
岩中 督

 このたび、皆様のご支援をいただき、第50回日本小児外科学会学術集会を平成25年5月30日から3日間にわたり主催させていただきます。東京大学小児外科学教室といたしましては、故土田嘉昭教授が第32回学術集会を横浜で開催されて以来の18年ぶりになります。ちょうど半世紀の節目になる本学術集会を、当教室で担当できますことは大変名誉なことであり、教室をあげてこの重責を果たしたいと考えております。

 日本小児外科学会は、お母さんのおなかの中にいる胎児や小さく産まれた未熟児から、小児外科疾患を抱えたまま成人に至ったキャリーオーバーと呼ばれる成人まで、非常に広い範囲の患者さんたちの、消化器・呼吸器・泌尿生殖器・小児がん・移植・外傷などの様々な疾患を担当する、小児外科医、新生児科医、小児泌尿器科医、麻酔科医、小児消化器科医等の団体です。この3日間では、これら医師たちに加え、関係する看護師や技師などの医療関係者が一堂に会して、質の高い小児外科医療を患者さん目線で討論いたします。

 今回の学術集会は、第50回大会であるため主題を「エビデンスに基づいた小児外科医療の継承:新たなる50年へのアプローチ」といたしました。今日に至る50年を振り返るとともに、小児外科医療のさらなる発展をめざす会にするため、諸外国から大勢のゲストをお呼びします。国際小児外科学会連合(WOFAPS)からは、長年にわたり様々な新しい知見や技術を我が国へ紹介して下さった著名な欧米の小児外科医をお招きします。一方で、アジアなどの地域で多くの患者さんに囲まれて臨床現場で奮闘している若い現地の小児外科医たちにも参加していただき、我が国の小児外科医と活発な意見交換を行いたいと考えております。またこの期間中に50周年を記念して、祝賀会や記念式典なども開催いたします。

 小児外科医療は病んでいるたくさんの子どもたちを救っていますが、時には大変つらい思いをさせることもあります。医療は日々進化していますので、子どもたちの診療を行う私たちは、常に謙虚な気持ちで患者さんに接し、患者さんに優しい新たな医療を追求し、取り入れていかねばなりません。これからの数ヶ月、シンポジウムやパネルディスカッションなど、学会員の皆様や諸先輩、関係者にご意見をうかがいながら、どのような企画が求められているか検討していきます。また、若い学会員に学んでいただきたい、経験していただきたい内容を盛り込んだワークショップやセミナーなども検討中です。

 昨年3月11日に発生した東日本大震災の爪痕が残る中、開催させていただく学術集会です。被災地の皆様に心よりお見舞いを申し上げつつも、本学術集会を成功させ、関係する皆さん全員に、何らかのメッセージをお届けしたいと考えています。東京大学小児外科学教室の教室員、同窓会、関係者が一丸となってこれからの一年間準備をいたします。

 温かいご支援ならびにご意見・ご提案をお寄せください。

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