移植医療のあゆみ

「インスタンブール宣言」に至るまで

1987年、世界保健機関(WHO)では、総会において臓器移植のガイドライン制定を実施する事が決議(WHA40.13)され、1991年に、「移植ガイドライン」が制定されました。(WHA42.5)

この決議を受けて、1990年代後半には、多くの国々では臓器移植のための法律が制定され、また、実際に臓器移植が実施されてきました。しかし、臓器提供者は、患者数に比較して充分とならず、生体移植が急増してきました。

その結果として、臓器売買や渡航移植も増加し、生命倫理や医療倫理に反する行為も見逃せない状態となってきました。さらに、臓器移植のみならず、細胞・組織移植の普及による国際的な流通も増加し、商業利用も科学技術の発展により急増しています。

WHOでは、2003年にスペインのマドリッドで予備会議を開催し、1991年ガイドラインの改正案を作成し、2004年の総会で可決され、2009年総会にて新たなガイドラインが制定される見通しです。

この改訂作業に積極的に公式メンバーとして参加した国際移植学会(TTS)では、各国の状況把握や、これらの国々の移植学会との連携で積極的な働きかけを行い、公正な移植医療の推進を行ってきました。TTSでもアムステルダム会議、バンクーバー会議等を経て、その集大成として、2008年4月30日から5月2日にかけて、トルコのイスタンブールで、“International Summit on Organ Trafficking and Organ Tourism” を開催しました。
世界78ヶ国、154名のメンバーが参加し、3日間の協議の末に「イスタンブール宣言」を取りまとめるに至りました。

イスタンブール宣言 制定までの経緯