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データで見る臓器移植

日本における2016年の各臓器の脳死下移植、心停止下移植ならびに生体移植数( )内は2015年の数

2016 年に日本において施行された各臓器の脳死下移植、心停止下移植ならびに生体移植の数は表のとおりです。( )内は2015 年の数。

日本移植学会 2016 臓器移植ファクトブック、2017 臓器移植ファクトブックより作成

日本における脳死ドナー数の推移

臓器移植法が施行された1997年からの脳死ドナー数の推移です。
さまざまな問題があり、ドナー数はさほど増えてはいませんでしたが、2010年の改正臓器移植法施行後は、増加傾向を示しています。

日本移植学会 2017 臓器移植ファクトブック

日本における心停止ドナー数の推移

脳死ドナー数が増加傾向にあるのに対し、心停止ドナー数は改正臓器移植法施行の2010年より漸減傾向を示し、2016年では32例となっており、改正法施行前年の98例に比して約1/3となっています。

日本移植学会 2017 臓器移植ファクトブック

日本における脳死ドナー、心停止ドナー 合計数の推移

脳死ドナー、心停止ドナーの合計数の推移をみると、改正臓器移植法施行後の2010年では113例、2011年では112例でしたが、その後は漸減し2014年では脳死ドナー、心停止ドナーの合計数は77例まで減少しました。2016年には96例と増加しており、更なる増加が期待されます。

日本移植学会 2017 臓器移植ファクトブック、日本臓器移植ネットワークHP 移植に関するデータ※ より作成

日本における小児ドナー数の推移

2009年の臓器移植法改正により15歳未満からの脳死下の臓器提供が可能となり、2011年4月に初めて15歳未満の小児の脳死下臓器提供が行われました。また、2012年6月には6歳未満の小児臓器提供が行われました。2016年の15歳未満の臓器提供数は心停止下ドナー1例、脳死下ドナー2例となっています。

日本移植学会 2017 臓器移植ファクトブック

日本における心臓移植件数の推移

改正臓器移植法施行後、脳死臓器提供が増加したことに伴い、心臓移植の実施数も増加し、2016年は51件(心肺同時移植1件を除く)の心臓移植が行われました。

日本移植学会 2017 臓器移植ファクトブック

日本における心臓移植を受けた 子どもの数の推移

国内において、成人ドナー10人、小児ドナー15人から、25人の小児(18歳未満)が心臓移植を受けています。(2017年8月31日現在)

日本移植学会 2017 臓器移植ファクトブック

小児心臓移植後の予後(N=25)

国内で心臓移植を受けた小児25人のうち、1人が移植後11年目に腎不全で、1人が移植後1年半で肺炎で死亡されましたが、他の23人は生存中で、10年生存率は94.4%です。

日本移植学会 2017 臓器移植ファクトブック

心臓移植後の累積生存率

国内で2016年6月30日までに心臓移植を受けた286人のうち、これまでに21人が死亡されましたが、残りの265人は生存し、2017年3月末時点で3人が入院加療中である以外は、外来通院しています。図に示すように心臓移植後の生存率は5年 93.7%、10年 91.3%、15年 85.9%です。

日本移植学会 2017 臓器移植ファクトブック

日本における肝移植数の推移

生体肝移植の総数は1989年の開始以降、毎年着実に増加を続け2005年に570例のピークに達した後、2006年に初めて減少に転じ、その後若干増加し2007年以降は400例台で推移しています。一方で、脳死肝移植数は2009年までは年間2~13例に留まっていましたが、改正法が年度半ばに施行された2010年に30例と著明に増加し、2015年には初めて年間50例を超えました。2016年は57例となっています。

日本移植学会 2017 臓器移植ファクトブック

脳死肝移植と生体肝移植の割合 2016年の日本・米国の症例数の比較

米国のOrgan Procurement and Transplantation Network(OPTN)の統計によると、米国では2016年の1年間に7,841例の肝移植が行われ、そのうち死体肝移植(脳死ドナー又は心停止ドナーからの肝移植)が7,496例、生体肝移植が345例でした。米国において肝移植は2005年以降は6,000例超が一定して施行されており、2016年、2017年と続けて年間7,000例を超えました。米国はまさに移植大国であり、日本と米国の生体移植と脳死移植の関係は全く反対です。

日本移植学会 2017 臓器移植ファクトブック

日本における肝移植後の患者生存率 生体肝移植 vs. 脳死肝移植

2016年末の集計では、国内で脳死肝移植を受けた375名の方々の累積生存率は1年 88%、3年 85%、5年 82%、10年 77%、15年 76%です。
一方、生体肝移植後の累積生存率は、1年 84%、3年 81%、5年 78%、10年 73%、15年 68%です。
脳死移植と生体移植の差はありません。

日本移植学会 2017 臓器移植ファクトブック

脳死肝移植における年齢別の患者生存率 小児 vs. 成人

2016年末の集計では、脳死肝移植における小児と成人の肝移植成績の比較では、小児の累積生存率は、1年 81%、3年 81%、5年 81%、10年 81%であるのに対し、成人の累積生存率は、1年88%、 3年 84%、5年 81%、10年 75%であり、小児と成人の差はありません。

日本移植学会 2017 臓器移植ファクトブック

生体肝移植における年齢別の患者生存率 小児 vs.成人

2016年末の集計では、生体肝移植における小児と成人の肝移植成績の比較で、小児の累積生存率は、1年 90 %、3年 88 %、5年 87 %、10年 85%であるのに対し、成人の累積生存率は、1年 82%、 3年 77%、5年 73%、10年 66%であり、小児肝移植の成績が有意に良好です。

日本移植学会 2017 臓器移植ファクトブック

日本における腎移植数・透析患者数の推移

2016年の腎移植数は1,648例で、前年より22例減少しています。1989年より4~5年間減少傾向にあった総移植患者数は次第に増加傾向にあり、2006年には年間1,000例を超えました。
2016年末の透析患者数は329,609人で年々増加していますが、献腎移植希望登録数は2016年末で12,828人となっています。

日本移植学会 2017 臓器移植ファクトブック

世界の透析患者数 上位5カ国(人口100万人あたり:2015年)

人口100万人あたりの透析患者数を国別に比較すると、日本は2番目に多いという結果になっています。

UNITED STATES RENAL DATA SYSTEM 2017 ANNUAL DATA REPORT より作成

世界の年間移植件数 上位5カ国と、韓国、日本(人口100万人あたり:2015年)

日本における人口100万人あたりの腎移植件数は世界と比較しても非常に少ないという結果になっています。

UNITED STATES RENAL DATA SYSTEM 2017 ANNUAL DATA REPORT より作成

世界の年間移植件数 上位5カ国と、韓国、日本
献腎移植、生体腎移植の割合(2015年)

日本は他の国と比べると、腎移植件数に占める献腎移植の割合が非常に低くなっています。

UNITED STATES RENAL DATA SYSTEM 2017 ANNUAL DATA REPORT より作成

年代別患者生存率(生体腎・献腎)

日本における腎移植の生存率・生着率は生体腎移植、献腎移植のいずれにおいても、年代とともに上昇しており、特に2001年以降は良好な成績でした。生存率に関しては、生体腎では1983~2000年で1年生存率97.0%、5年生存率が93.5%でしたが、2010~2015年では99.2%、97.4%に上昇しています。献腎においても同様に1983~2000年の92.5%、85.8%から2010~2015年では97.9%、92.7%と上昇がみられています。

日本移植学会 2017 臓器移植ファクトブック

年代別生着率(生体腎・献腎)

日本における腎移植の生存率・生着率は生体腎移植、献腎移植のいずれにおいても、年代とともに上昇しており、特に2001年以降は良好な成績でした。生着率についてはさらに伸び幅が大きく、生体腎では1983~2000年で1年生着率92.9%、5年生着率が81.9%でしたが、2010~2015年では98.7%、94.5%に上昇しており、献腎では1983~2000年の81.4%、64.6%から2010~2015年では96.5%、87.3%へと著明に上昇しています。

日本移植学会 2017 臓器移植ファクトブック

日本における膵移植症例数の推移

1997年10月の臓器移植法の施行後、2000年4月25日に第1例のSPK(膵腎同時移植)が行われてから、2016年12月末日までに284例の脳死下での膵臓移植(うち232例のSPK、37例のPAK(腎移植後膵臓移植)および15例のPTA(膵臓単独移植))と3例の心停止下でのSPKが行われています。

日本移植学会 2017 臓器移植ファクトブック

膵移植後の患者生存率と移植膵生着率

2016年12月末日までに行われた284例の脳死・心停止下膵臓移植のうち、15例が亡くなっています。移植膵の生着については、亡くなった例を除くと、計46例が移植膵の機能喪失となっています。
移植した膵臓の1年、3年、5年生着率はそれぞれ86.5%、81.1%、75.3%です。

日本移植学会 2017 臓器移植ファクトブック

日本における肺移植症例数の推移

脳死肺移植の国内での実施件数は、2016年12月までで332件です。図に示すように、改正臓器移植法が施行された2010年の実施件数が増加しています。2016年には過去最多となる年間49件の脳死肺移植が実施されました。生体肺移植の国内での実施件数は、2016年12月まで198件です。
なお、これに加えて3例の心肺同時移植が実施されています。

日本移植学会 2017 臓器移植ファクトブック

肺移植後生存率

2016年末の時点での国内の移植成績は、脳死肺移植では5年生存率73.1%、10年生存率61.7%、生体肺移植では5年生存率71.9%、10年生存率65.4%と成績に違いはありません。いずれの成績も欧米での肺移植の成績を中心とする国際心・肺移植学会の2016年の報告で公表されている5年生存率 約53.6%、10年生存率 約31.7%を脳死肺移植、生体肺移植ともに大きく上回るものになっています。また、心肺同時移植の3例は2016年末時点で生存中です。

日本移植学会 2017 臓器移植ファクトブック

日本における小腸移植実施件数

2016年12月末までの小腸移植は24名に対して27例の移植が実施されました。ドナー別では脳死小腸移植が14例、生体小腸移植が13例でした。年次毎の脳死、生体ドナー別の小腸移植の実施件数を図に示します。臓器移植法改正後9例の脳死小腸移植が実施されています。

日本移植学会 2017 臓器移植ファクトブック

小腸移植の移植成績

2016年12月までの患者生存率は、1年生存率 88%、5年生存率 70%、10年生存率 62%となっており、他の臓器移植に比べて遜色ない程度になっています。
しかし、グラフト生着率は1年生着率、5年生着率、10年生着率がそれぞれ81%、57%、40%とまだ十分とは言えません。

日本移植学会 2017 臓器移植ファクトブック