一般の方

小腸のQ&A

移植対象者
小腸移植を考えるのは、どのようなときですか?

悪くなった小腸 小腸の機能が十分でない(腸管不全)時、小腸移植を検討します。
腸管不全には、短腸症候群と、腸管運動障害の2種類があります。成人と小児では腸管不全となる原因、小腸移植が必要になる原因は大きく異なります。

  1. 短腸症候群
    何らかの原因で小腸を大量に切除し、結果的に吸収機能障害などが永続する状態
    <原因となる疾患>
    中腸軸捻転、小腸閉鎖症、壊死性腸炎腹壁破裂、上腸間膜動静脈血栓症、クローン病、外傷、デスモイド腫瘍、腸癒着症など
  2. 腸管運動障害
    回復することのない腸管運動障害
    <原因となる疾患>
    特発性慢性偽小腸閉塞症、ヒルシュスプルング病とその類縁疾患
  3. その他
    難治性下痢等

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小腸移植が必要となるのは、どのようなときですか?

腸管不全にて、小腸機能が廃絶してしまった場合です。消化管から栄養を消化・吸収できなくなるため、中心静脈栄養※によって生きていくことになります。ただし、この治療がうまくいっている限りは、生命に直接影響を及ぼすようなことはありません。しかし何らかの原因により中心静脈栄養法が難しくなった場合や、中心静脈栄養法による重大な合併症が生じた場合、その後の治療は大変難しくなり、生命に影響を及ぼすような状態となってしまうことがあります。

例えば、中心静脈栄養を長期に行い治療をしていく中で、肝障害を起こし、肝硬変にまで進行することもあります。また、中心静脈栄養を行うために、中心静脈カテーテルを留置しておく必要がありますが、カテーテル挿入部位の感染などがあると、中心静脈カテーテルを交換しなければなりません。中心静脈カテーテルの交換をするために、頻回に中心静脈カテーテルを挿入すると、その部位の血管が血液の塊で詰まってしまう(血栓形成)を起こし、どんどんカテーテルが挿入できる部位が限られてしまうことになります。また、栄養状態の低下や下痢などにより、生活の質の著しい低下をきたすこともあります。これらの患者さんに小腸移植が必要となるのです。

※中心静脈栄養…高カロリー輸液療法のこと。口から食事を取れなくなった方に栄養を補給する方法のひとつで、血管が太く血流量の多い中心静脈に濃度の高い輸液を授与する方法。

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小腸移植の適応となるのは、どのようなときですか?
小腸不全により、中心静脈栄養法が必要な状態でありながら、
  1. 大血管系の血栓症などのために中心静脈用カテーテルの維持が困難な場合
    • 今カテーテルを挿入している血管以外には、挿入できる血管がないこと
  2. 中心静脈栄養法の合併症で生命に影響を及ぼすような状態
    • カテーテル留置に伴う敗血症を頻回に繰り返す場合
    • 肝障害が進行しつつある場合
となった場合、小腸移植の適応となります。

さらに中心静脈栄養法では充分な栄養などの補給ができず、種々の代謝障害が生じたり、生活の質(クオリティオブライフ=QOL)が著しく障害されるような場合にも、中心静脈栄養法だけでの治療は不十分と見なされ、小腸移植を考慮すべき状態と考えられます。

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