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移植ことば辞典

は行
白血球
血液の中で免疫の働きをするのが白血球です。赤血球や血小板とともに骨髄の中で造血幹細胞から分化、成熟して色々な種類の白血球がつくられています。白血球の種類には、感染により侵入した病原体を処理したり、アレルギー反応に関わる顆粒球と、病原体を特定して攻撃する適応免疫の働きを行うリンパ球や、寿命の来た血液細胞や細菌などを食べたり抗原の提示に関わる単球、マクロファージ、樹状細胞があります。移植の際の拒絶反応で中心的に働くのはリンパ球の中のTリンパ球とBリンパ球です。
日和見感染
健康な人には感染症を起こさないような弱い病原体によって生じる感染を日和見感染といいます。私たちの周りには多くの病原体が存在しており、また体内にも病原体が存在しています。健康な人にはこういった病原体を抑える免疫力がありますが、移植を受けた患者さんは、拒絶反応が発症しないように免疫力を抑える免疫抑制薬を服用しており、免疫力が低下するため日和見感染を起こす可能性があります。サイトメガロウイルス感染症やニューモシスチス肺炎、クリプトコッカス症などが移植後の日和見感染として挙げられます。
プロトコール生検
プロトコール生検は、腎移植後一定の間隔で行われる移植腎生検です。臨床的に問題となる前に拒絶反応等の診断を行い必要な治療を開始することで、長期予後のさらなる改善を目的とします。施行される間隔は移植施設の方針により異なりますが、移植手術後1年までに2回ないし3回、それ以降は1~2年毎に行われる場合が多いです。移植腎機能の長期予後向上に有用であるという報告が多くなされています。
副甲状腺摘出術
原発性副甲状腺機能亢進症では、4つの副甲状腺のうち、腫大したものに対しエタノール注入療法も行われますが、根本的な治療は腫大した腺を手術で摘出することです。二次性副甲状腺機能亢進症では、食事療法(低リン食)、薬物療法が行われます。これらの治療でも効果が無い場合に摘出手術を行います。通常4つある副甲状腺をすべて摘出し、その一部を腕の筋肉内に移植します。
副甲状腺ホルモン
副甲状腺とは甲状腺の裏にある米粒ほどの大きさの臓器です。通常4つあり上皮小体とも呼ばれています。その副甲状腺から分泌されるホルモンが副甲状腺ホルモンです。血液中のカルシウムを一定に保つ働きがあります。副甲状腺ホルモンの異常により骨がもろくなったり、動脈硬化、弁膜症などを引き起こします。副甲状腺そのものの異常でホルモンが過剰に分泌されてしまう状態を原発性副甲状腺機能亢進症といいます。血液中のカルシウムが異常高値となります。慢性腎不全になると血液中のカルシウム濃度が下がるため、それを補正するために副甲状腺ホルモンがより多く分泌されます。この状態が長く続くと、カルシウムの濃度に関係なくホルモンが異常に分泌されるようになります。この状態が二次性副甲状腺機能亢進です。
膀胱尿管逆流症
腎臓で作られた尿は、尿管という管を通って膀胱へと流れます。尿管と膀胱のつなぎ目には弁の機能があり、膀胱内の尿が尿管に逆流しない仕組みとなっています。その弁の機能が弱く、容易に尿が尿管へと逆流してしまう状態が膀胱尿管逆流症です。生まれつきの場合も多くあり、また腎臓移植後に発症することもあります。膀胱内の細菌が尿とともに腎臓に逆流し、腎盂腎炎を発症します。このような状態が頻回に起こると徐々に腎臓の機能が悪化し、腎不全になる危険もあります。治療は患者さんにより様々です。薬物療法、膀胱鏡による治療や、手術を行うこともあります。