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抗HLA抗体保険収載についてお知らせ

平成30年4月1日から抗HLA抗体(スクリーニング検査)及び抗HLA抗体(抗体特異性同定検査)の測定が、全ての臓器移植後において保険収載となります。それに関連して重要なお知らせをします。

1 抗HLA抗体(スクリーニング検査)及び抗HLA抗体(抗体特異性同定検査)に関する施設基準
(1) 当該検査を当該保険医療機関内で実施する場合においては、次に掲げる基準を全て満たしていること。
ア 区分番号「B001」の「25」移植後患者指導管理料(臓器移植後の場合に限る。)に関する施設基準の届出を行っていること。
イ 関係学会による指針を遵守し検査を実施していること。

(2) 当該検査を当該保険医療機関以外の施設に委託する場合においては、次に掲げる基準を全て満たしていること。
ア 区分番号「B001」の「25」移植後患者指導管理料(臓器移植後の場合に限る。)に関する施設基準の届出を行っていること。
イ (1)を全て満たすものとして地方厚生局長に届出を行っている保険医療機関又は関係学会による指針を遵守し検査を実施していることが公表されている衛生検査所にのみ委託すること。

となっています。

ここで、指針の遵守とは、日本組織適合性学会QCWS参考プロトコルに基いて検査を実施している事を意味します。

なお、平成30年4月1日から算定を行うためには、平成30年4月16日(月曜日)(必着)までに、届出を行う保険医療機関等の所在地を所轄する地方厚生(支)局へ届出が必要となります。その届出用紙は様式5−5です。
自施設で測定する施設は、「関係学会による抗HLA抗体検査の実施に関する指針の遵守」が求められます。
外注によって実施する施設は、地方厚生局長に届出を行っている保険医療機関又は関係学会による指針を遵守し検査を実施していることが公表されている衛生検査所に委託することになります。その際は、委託先の施設が関係学会による抗HLA抗体検査の実施に関する指針を遵守している事が確認できるウェブページのURLを記載することが求められますので、日本移植学会としては、抗HLA抗体検査を受託する予定の保険医療機関は、関係学会による抗HLA抗体検査の実施に関する指針を遵守していることを自主的に公表する事を推奨します。

いうまでもなく、抗HLA抗体検査は、抗体関連拒絶の診断と治療に重要で患者生命に直結する検査です。その精度を保証する為に、日本移植学会は、関係学会による指針を遵守し検査を実施しているだけでなく、年々追加される新たな情報に遅れない為に日本組織適合性学会QCWSに参加することを推奨します。参加された施設に置かれましては、証明するものとして、日本組織適合性学会が発行する「HLA-QCワークショップ抗体QCの評価結果」(個人情報を削除した参加申込シートとともに)とQCワークショップ集会(解析報告会)の「参加証明書」をホームページなどにわかりやすく公表して下さい。HLA–QCWS参加施設名簿を使用する場合は、Major Histocompatibility Complex (2017; 24 (1): 15–37
)「第20回HLA-QCワークショップレポート」に第20回HLA–QCWS参加施設名簿が掲載されていますのでご利用下さい。

さて、施設基準を満たさないクリニックで診療されている場合はDSA検査が出来ないことになります。その様な施設の先生方にはご不満もあろうかと存じますが、患者の命を真摯に謙虚に考えれば、AMRの診断・治療ができる施設と言う意味では、AMRに対応できる施設とは、迅速に生検をしてC4d染色まででき、診断ができ、まだ保険が通っていないリツキサンやIVIGを、適応外使用の倫理審査を通して施設負担で実施可能で、免疫抑制剤過剰の状態の感染対策が完璧にできる施設であるはずです。そこで、上記の施設基準を求める事にしました。
クリニックで先生を信頼されている患者さんの事を考えるならば、普段は信頼する先生の診察を受けしっかりと管理して頂いて、年一回のDSA検査の時だけ基準を満たす施設で検査をする、いわば広義の外注(CTやMRIを専門クリニックで受ける様に)と考えていただくことが次善の策ということになります。
抗HLA抗体検査が正しく実施され、健康な移植臓器と共に移植患者さんが一人でも多く1日でも長くすこやかに過ごされることを祈ります。

 

一般社団法人 日本移植学会
理事長  江川 裕人