6時間研修会(ワークショップ)50音順
13:30~20:30
1. David Kingdon 先生
統合失調症の認知行動療法
認知行動療法は、統合失調症にも効果を発揮しうる精神療法として、日本でも注目を集めつつある治療法である。本ワークショップでは、この治療法の第一人者である演者が、統合失調症の認知行動療法の基礎と実際について解説する。具体的には、統合失調症の患者に対して認知行動療法を実施する際の大まかな流れ、フォーミュレーションの作成、そして、基本的なスキルの選択と実施の方法等について理解を深めることを目的とする。(日本語の訳と解説がつきます。)
参加対象者:特になし
定員:150名
2. 石井朝子 先生 【募集終了】
弁証法的行動療法(Dialectical Behavior Therapy: DBT)の理論と実践
弁証法的行動療法(DBT)で取り組むマインドフルネス、情動調節スキル、効果的な対人関係スキル、苦痛耐性スキルの4つのスキルを概説し、コア治療戦略である問題解決及びヴァリデーション(承認)については、ロールプレイを用いて解説する。またDBTにおいて、中核的なスキルと位置付けされているマインドフルネスについては、現場で実践されているマインドフルネスをグルーブワークを通して、体験的に理解を深めることを目指す。
参加対象者:実際に臨床に携わっている人
定員:35名
3. 伊藤絵美 先生 【募集終了】
認知再構成法を極める
認知再構成法とは,認知の中でも,特にその場その場で頭に湧き上がってくる自動思考(イメージを含む)に焦点を当てた技法であり,認知行動療法において最も使用頻度の高い技法のひとつである。手続きとしては,①ストレス場面における自動思
考,気分・感情,行動,身体反応を同定する,②過度にネガティブな,もしくは望ましくない気分・感情,行動,身体反応と関連している非機能的な自動思考を選択する,③選択した自動思考を多様な角度から検討し,より機能的で有用な新たな思考を形成する,④新たな思考を形成した結果,元の自動思考の確信度などがどのように変化したのかを検証する,というものである。他の技法と同様であるが,本技法も,クライアントの主訴についてアセスメントを行い,事例定式化を行った上で,本技法が有用であると判断された場合に導入するべきである。
本ワークショップでは,認知再構成法についてレクチャーした後,観察学習やロールプレイ等を通じて,受講者自身に本技法を体験していただくが,その際,講師が開発した図的なツールを紹介し,実際に使っていただく予定である。なお初級レベルから受講いただけるが,拙著『認知療法・認知行動療法カウンセリング初級ワークショップ』(伊藤,2005,星和書店)を予めお読みいただくことを受講の条件とする。
参加対象者:初級(抄録に条件あり)
定員:30名
3時間研修会(ワークショップ)50音順
9:30~12:30
4. 秋山 剛 先生、岡田佳詠 先生 【募集終了】
うつの集団認知行動療法
うつへの認知行動療法の効果は広く認められています。集団認知行動療法は、効果について個人療法と同程度またはそれ以上といわれ、スタッフの労力に対する効果を考えると、有用性が高い治療と考えられます。本ワークショップは、集団認知行動療法を普及させるために設立された集団認知行動療法研究会(http://cbgt.org)の企画で行われ、講義とグループワークを通して、集団認知行動療法の基礎的な知識と介入技法を身につけていただくことを目的としています。関心がある方の参加をお待ちいたします。
参加対象者:初級
定員:60名
5. 石川信一 先生 【募集終了】
児童の不安に対する認知行動療法
子どもの不安に関連する障害は,最も多くみられる心理的な問題の1つです。そして,多くの研究によって,子どもの不安障害(主に,分離不安障害,社交不安障害,全般性不安障害)に対しては認知行動療法の効果が証明されています。しかしながら,わが国での普及はまだまだ遅れていると言わざるを得ません。そこで,本ワークショップでは,子どもの不安障害に対する認知行動療法の特徴,具体的な技法についてお伝えしたいと思います。事例やロールプレイ等を通じて,子どもの認知行動療法の実際について学んでいただきたいと思います。
参加対象者:初級
定員:50名
6. 大野 裕 先生 【募集終了】
うつ病の認知療法
慶応認知行動療法研究会のメンバーとともに、講義、グループワークやビデオを通して、とくに次の2点を中心に、認知療法の具体的な手法を体験的に習得できるようにしたい:①症例の概念化:認知、感情、行動、身体、現実場面の相互影響を明らかにしながら問題点を整理し治療方針を立てる、②認知再構成:思考記録シートを使いながら、自動思考に焦点をあて認知の歪みを修正し、よりバランスがとれた形で現実を見つめ、問題に適切に対処できるように患者の作業を援助する。
参加対象者:初級~中級
定員:150名
7. 清水栄司 先生
OCDの精神病理inflated responsibilityをたくみに引き出す認知療法
強迫性障害の行動療法である曝露反応妨害法は、曝露療法の効果を高めるための技法
として、不安障害に共通なTransdiagnostic approachともいえる。強迫性障害に特異
的な認知的精神病理として、Salkovskis PMによって、responsibilityの問題が提唱
されている。訳は、「責任」であるが、「反応可能な状態」としたほうが理解しやす
い。inflated responsibilityは、いくつかの表現形があり、強迫性障害の認知療法
は、マニュアルに基づく一方で、症例のformulationによって、テイラーメイドなも
のにしていくスキルも重要である。
参加対象者:特になし
定員:100名
8. 鈴木伸一 先生 【募集終了】
認知行動療法ミニマムエッセンシャルズ:うつと不安のケアを中心に
認知行動療法は、うつ病や不安障害といった精神疾患の治療にだけでなく、がんや心
疾患、糖尿病などといった主要な身体疾患患者のメンタルケアや病態管理行動の形成
などにも近年広く活用されるようになっている。本ワークショップでは、日常診療に
おける患者の不安やうつへの対応、さらには生活習慣の改善やアドヒアランスの向上
などにかかわる諸問題に認知行動療法を活用して行く際のミニマムエッセンシャルズ
をまとめ、わかりやすく解説する予定です。
参加対象者:入門者・初級
定員:150名
9. 杉浦義典 先生
認知療法家のためのウェルビーイングの理解:基礎研究からの示唆
認知療法は焦点を絞った病理モデルにもとづいた介入によって高い効果を誇ってきた。介入のターゲット(症状)を明確に定義するのはエビデンスに基づく治療としては当然であるが,臨床家としてはさらに特定の症状低減にとどまらないウェルビーイングの向上をも視野にいれる必要がある。本WSでは,動機づけや感情に関する基礎研究の知見をもとに,ウェルビーイングの概念,測定,向上法について考えたい。具体的には,ポジティブ感情,内発的動機づけ,自己決定,マインドフルネス,慈悲(compassion)といったキーワード
に基づいたレクチャーと簡単な実習を行う。
参加対象者:特になし
定員:80名
10. 平井 啓 先生、本岡寛子 先生 【募集終了】
不安・抑うつに対する問題解決療法ーうつ病患者とがん患者への問題解決療法を中心にー
問題解決療法は、うつ病、不安障害などさまざまな障害に対して用いられる認知行動療法の一つです。厚労省科研費「がん患者に対するリエゾン的介入や認知行動療法的アプローチ等の精神医学的な介入の有効性に関する研究」班では、欧米での問題解決療法を基本としながらも、日本人の患者の特性を考慮して日本のがん患者向けの問題解決療法プログラムを開発しました。このプログラムは、がん患者だけでなくその家族や他の医療のさまざまな場面に応用できる可能性があります。今回のワークショップでは、われわれのグループで行っているがん患者対象のプログラムならびに、主にうつ病を中心とした復職支援プログラムでの問題解決療法を紹介し、実際の臨床で実施する際の「コツ」を共有する場としたいと思います。
参加対象者:中級
定員:30名
11. 名市大認知行動療法グループ 【募集終了】
パニック障害の認知行動療法:これであなたも実践できる!
名古屋市立大学病院で行っているパニック障害を対象としたグループ認知行動療法について実践的なワークショップを企画しています。主な内容はすでに私たちのグループで200人近くの患者が治療を受けて高い効果をあげている内容、すなわち①パニック障害の認知行動モデルに基づく疾患理解、②呼吸コントロールの実践、③認知再構成によるパニック障害における認知の偏りの発見と現実的認知の模索、④回避対象となる状況に対する段階的な外的曝露、⑤身体感覚曝露による身体感覚への過敏性の軽減、を順次ご紹介する予定です。ミニレクチャーも含めて、全体を通してパニック障害の疾患理解とそれによる治療者のスキルアップを目指します。
参加対象者:初級
定員:60名
13:30~16:30
12. 金 吉晴 先生 【募集終了】
PTSDの持続エクスポージャー療法
PTSDの治療法としてはSSRI等を用いた薬物療法と、トラウマ体験へのエクスポージャーを基本原理とするCBTがあり、その中でも持続エクスポージャー療法(PE)は、米国学術会議の報告によって薬物を含むあらゆる治療の仲で、唯一、十分なエビデンスを認められている。発表者はこの治療法の創始者であるFoa教授を初めて日本に招聘するなど、PEを日本に導入し、open trial によって日本でも十分な治療効果を確認し、現在進行中のRCTの中間解析でも有効性が示されている。当日は講義を中心とし、必要に応じてビデオを提示しつつ、治療原理、基本的な治療手続き、治療適応を紹介する。
参加対象者:中級以上。PTSD患者もしくはトラウマ被害を受けた患者の治療経験のある方が望ましい
定員:50名
13. 熊野宏昭 先生 【募集終了】
マインドフルネスを理論と体験の両面から理解する
マインドフルネスとは、ブッダが推奨した「今の瞬間の現実に常に気づきを向け、その現実をあるがままに知覚し、それに対する思考や感情には囚われないでいる心の持ち方、存在の有り様」である。本ワークショップでは、マインドフルネスの根本経典の一つとされる「呼吸による気づきの教え」を題材に、本来それがどのようなものであったかを解説し、その実践法を実習する。その後、MBSR(マインドフルネスストレス低減法)、MBCT(マインドフルネス認知療法)、DBT(弁証法的行動療法)、ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)などに含まれるマインドフルネス技法やその実証的研究の解説を行い、マインドフルネスの輪郭を理論と体験の両面から描き出す。
参加対象者:なし
定員:60名
14. 原田誠一 先生 【募集終了】
外来診療における認知行動療法の実際
今回のWSでは、演者が普段外来診療の中に組み入れている心理教育・認知行動療法の内容を講義形式で紹介して、聴講者の参考にしていただく。対象疾患は不安障害、気分障害、統合失調症、境界性人格障害などである。なお、当日の話の内容は過去演者が行ってきた
講演と重なる部分が大きいことをご了解の上、ご参加ください。
参加対象者:特になし
定員:60名
15. 堀越 勝 先生 【募集終了】
痛みに対する認知行動療法 基礎知識から実践まで
参加対象者:中級
定員:30名
16. 水島広子 先生 【募集終了】
対人関係療法の基礎
エビデンス・ベイストな精神療法として認知行動療法と並んで位置づけられている対人関係療法(interpersonal psychotherapy: IPT)について、その基礎を紹介する。対人関係療法の基本的な考え方、治療者の姿勢、治療の柱となる戦略(医学モデル、対人関係の4つの問題領域「悲哀」「対人関係上の役割をめぐる不和」「役割の変化」「対人関係の欠如」)、主に用いられる技法(コミュニケーション分析、感情の励ましなど)について概説し、その本質を理解し、エッセンスを日々の臨床に生かせるようになることを目標とする。理解を深めるために、参加者からの質疑を歓迎する。
参加対象者:初級
定員:100名
17:30~20:30
17. 市井雅哉 先生 【募集終了】
EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)の理論と実際
アメリカの臨床心理士F・シャピロが1989年に発表したこの方法は、今日、多くの国が発表するPTSDの治療ガイドラインに「実証された最も効果がある心理療法」と載っています。EMDRでは、トラウマ記憶の、映像、自己評価、感情、身体感覚を評価し、素早くリズミカルな水平方向の眼球運動(もしくは両側性の刺激)を導きます。否定的な題材が脳内にもともと貯蔵されている肯定的なネットワークと連結がなされることで、自身のより肯定的で機能している部分を使える状態となります。過去の否定的な記憶を扱えるので、適応障害、パニック障害、社会恐怖、物質依存障害、境界性人格障害、解離性障害、うつなどにも広く適用可能です。
参加対象者:特になし
定員:60名
18. 神村栄一 先生 【募集終了】
病的賭博者を対象とした集団認知行動療法:“パチンコ依存”介入のコツ
病的賭博(PG)に対する集団CBTについて紹介する。海外のCBTの主流を簡単に紹介した後、我が国独自のギャンブル(扱いは“風俗”だが)であるパチンコ・パチスロ関連のPGに焦点をあてる。これに該当するクライエントを対象とした集団CBT介入プログラムの内容とその成果の紹介が中心となる。アセスメント、PGに典型的な自動思考、それをとらえるためのワークシート、刺激統制、スキル訓練、代替活動の形成など、行動処方を集団で盛り上げていくコツなどを紹介する。PG以外の「止めたいのに止められない」衝動制御関連障害へのCBT介入につながるポイントを、参加者と議論できればとも考えている。
参加対象者:特になし。病的賭博症例の経験ない方でも。
定員:40名
19. 福井 至 先生 【募集終了】
認知を測定する質問紙と認知変容カードを用いた容易で確実な認知療法実施法
このワークショップでは、うつ病性障害や不安障害のケース・フォーミュレーションが容易にできる認知を測定する質問紙と、認知療法が容易に確実に実施できる認知変容カード(認知行動療法実践カード)の使用法をお伝えします。認知療法の基礎から、ケース・フォーミュレーションの仕方、および認知療法の実施手順、さらに実際の認知変容の仕方を具体的に実習していきます。当日は認知療法のために開発された、JIBT-R、DACS, DAMS, GSES, SRS-18, MIBT, TIBTという7種類の質問紙を実際にご自分で実施・採点してみていただきます。また、認知変容のいくつかをロールプレイで実習してみたいと思います。
参加対象者:初級
定員:40名
20. 水島広子 先生 【募集終了】
対人関係療法の実際
エビデンス・ベイストな精神療法として認知行動療法と並んで位置づけられている対人関係療法(interpersonal psychotherapy: IPT
)について、その臨床の実際を紹介する。対人関係療法の成否を分けるフォーミュレーションの仕方、技法の用い方を、症例を用いて説明する。各種障害へのIPTの用い方、問題領域の選び方についても時間の許す限り触れる予定である。対人関係療法について基礎的な知識を持っており臨床現場を持っている治療者を対象とし、より実践的な内容となるよう、参加者からの質疑を歓迎する。
参加対象者:実際に臨床に携わっている人, 事前に「臨床家のための対人関係療法入門ガイド」(創元社)を読んできていただく
定員:100名
21. 遊佐安一郎 先生 【募集終了】
認知療法の面接技法の基礎:ヘルピング・スキルを活用して
J. Beckも認知療法の専門的能力の前提として「共感、関心、力量」の習得が前提だと主張しています(2004、p13)。しかし、そのような面接の基本技術の研修の機会は日本では非常に限られていると思います。そのために、この研修では認知療法を学習、実践しようとする方々のために面接技法の基礎を扱います。クララ・ヒルが発展させた面接技法訓練システム、「ヘルピング・スキル」を活用して、認知療法を行う際の面接の基礎技法の研修の仕方を紹介します。対象は面接技法の基礎を学びたい方、自分の面接のあり方を整理したい方、そして面接技法を教える方です。
参加対象者:初級
定員:60名