2026.09.30
日本移植学会・日本TDM学会共同ステートメント
免疫抑制薬血中濃度測定における外部精度管理(QCサーベイ)への継続的参加について
免疫抑制薬の血中濃度測定における外部精度管理(QCサーベイ)への継続的なご参加について、皆様にご理解とご協力をお願い申し上げます。
日本移植学会と日本TDM学会は、2014 年に「免疫抑制薬TDM標準化ガイドライン」を共同で策定し(2018年改訂)、免疫抑制薬TDM(治療薬物モニタリング)の標準化を推進してまいりました。ガイドラインの適切な運用には、目標血中濃度の共有のみならず、その基盤となる血中濃度測定の信頼性を継続的に保証することが不可欠であるとの認識を共有しています。 この理念に基づき、両学会は 2016年4月に一般社団法人TDM品質管理機構(https://www.qctdm.jp)を共同で設立し、第三者機関として全国規模の免疫抑制薬TDM-QCサーベイを開始いたしました。本法人は、中立的な立場から免疫抑制薬血中濃度測定の品質保証を推進するとともに、その後の医療法改正を契機として、特定薬剤治療管理料の対象薬物へと領域を拡大し、TDM全般の品質保証活動を推進しています。
免疫抑制薬TDMは、拒絶反応の予防および薬物有害反応の回避を目的とした標準的医療です。近年では、移植施設と地域医療機関との連携が進み、血中濃度データは施設間で共有される重要な医療情報となっています。また、多施設共同研究においても、測定値の信頼性は研究成果の妥当性を支える重要な基盤となっています。
このため、外部精度管理(QCサーベイ)は、単に検査室の測定精度を確認する取り組みに留まらず、移植医療全体の質を支える品質保証活動として位置付けられます。継続的なQCサー ベイへのご参加を通じて、自施設の測定精度を客観的に把握し、その結果を日常診療へ適切にフィードバックすることは、患者診療のみならず、多施設共同研究における血中濃度データの信頼性向上にも繋がります。
一般社団法人TDM品質管理機構では、全国QCサーベイを継続して実施するとともに、 2026年度からは測定成績評価制度を試行し、一定の評価基準を満たした施設に対する認証制度の導入を目指しています。本制度は、施設間の優劣を競うものではなく、継続的な品質保証活動を促進し、本邦における免疫抑制薬TDMの信頼性向上に資することを目的としています。
日本移植学会および日本TDM 学会は、免疫抑制薬TDMの品質保証が、移植医療の安全性と信頼性を支える重要な基盤であるとの認識を共有しています。免疫抑制薬血中濃度測定を実施される医療機関ならびに受託検査機関におかれましては、本QCサーベイの趣旨をご理解いただき、継続的な外部精度管理へのご参加を通じて、血中濃度測定の信頼性向上に取り組んでいただけますよう、心よりお願い申し上げます。
日本移植学会 理事長 小野 稔
日本TDM学会 理事長 菅原 満

