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    新理事長挨拶
    諸外国法制比較を超えた
    グローバルな視野の比較法学へ

    比較法学会理事長
    中村 民雄
     比較法学会は、内外諸法制の比較研究、研究者間・内外の学会間の相互協力を目的として1950年に創立され、爾来、日本における比較法学の発展に貢献してきました。現在、比較法・外国法の研究者から実定法の研究者や実務家に至るまで600名あまりの会員を擁しています。

     比較法学会の主たる活動は、学術総会(毎年6月に2日間開催)と年1回の学会誌『比較法研究』の刊行です。学術総会は、最新の法的問題の比較法的検討や比較法の理論探求などを扱うシンポジウム、特定のトピックに焦点をあてるミニシンポジウム、英米法部会・大陸法部会・アジア社会主義法部会に分かれて行われる個別報告などからなります。とくに個別報告は若手研究者の登竜門として絶好の機会となっています。年次の学会誌『比較法研究』は、学術総会プログラムの成果とともに投稿論文も掲載しています。

     比較法学会のメリットは、それがグローバルな総合的視座を提供するところにあります。法学は分野や問題事象ごとに細分化していき、それに応じた学会も多数できています。その中にあって、比較法学会は、世界各国に共通して生じる法的問題や、法理論的に共通する問題などを分野横断的に取り上げることができ、しかも日本法と諸外国の法を比較してグローバルな視点から検討できる貴重な存在です。どの学問分野においても、「部分と全体」(ハイゼンベルク)の両方を視野に入れて研究することは必須です。それゆえ細分化された学会に加え、総合的な比較法学会の存在が貴重なのであり、その両者が相互補完的かつ相互補強的な関係にたつものと考えます。

     比較法がグローバルの視座を提供するというとき、それは国家間の法を中心とする国際法を意味するのではありません。これまでは世界の諸国の国内法制の比較から見えてくる共通点や相違点とそれらをもたらす原因を探ることを意味してきました。そのために比較法の方法論としてもマクロ(法系論)とミクロ(機能的同等性比較など)の比較方法が提唱されてきました。しかし、今日はこれを一歩超えることが比較法の課題になっています。たとえば、EUのような、それ自体国家ではないが、マクロ地域の越境的統治組合として法を作り出し各国からも独立に運用する存在があります。あるいは非国家主体(NGOを始め各種の民間団体、業界団体、グローバル企業など)が越境的に活動するなかで作り出す各種の標準や基準、ベスト・プラクティスを掲げた行動規範(Code of Conduct)などのソフト・ローも各国の法運営に大きな影響を与えています。これらに対しても、比較法は一定の理論的枠組みをもって、法比較の対象に取り込んでいかなければなりません。

     比較法学会が取組める挑戦的な課題は、理論から具体的事例にいたるまで、豊富に存在しています。細分化された法学のなかで、分野横断的に全体像を掴んでいきたいと願う方々も少なくないでしょう。そのような方々をはじめ、多くの研究者・実務家の皆様の比較法学会への新たなご参加、あるいは継続的なご参加を心より歓迎いたします。

     ともに学べる場として、積極的に運営していく所存です。よろしくお願い申し上げます。


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