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    理事長ご挨拶
    ―比較法学会のあゆみと現状―

    比較法学会理事長
    小川 浩三
     このたびは、比較法学会のホームページをご覧いただきありがとうございます。ここでは日本における比較法学と比較法学会の歩みを振り返りながら、当学会の活動について簡単に紹介したいと思います。
     周知のように、明治維新以前においても、われわれの先達たちは主として中国から「法」を受容し、発展させてきました。しかし、とりわけ明治維新以降、欧米の法を受容することによって、日本の法は面目を一新しました。江戸時代までとは違って、法典や法律は国民に公開され、少なくとも理論的には国民の議論の対象となりました。法生活の担い手となる法専門家が大学法学部で養成されることになりました。そこで教えられる法知識は当然欧米由来のものであり、教育の担当者はそれを理解し、わがものとしなければなりませんでした。日本の法学者は、必然的に外国法の研究者でなければなりませんでした。こうした法学の伝統と第二次大戦後の普遍主義の高揚の中で、1950年比較法学会は創立されました。2020年には創立70周年を迎えることになります。当初の会員数は100名ほどでしたが、現在は720名を超える会員を有する学会に成長しました。
     主たる活動は、毎年1回開かれる――ただし、1962年までは年2回開催――比較法学会総会です。一番の中心は、総会シンポジウムです。主として、私法、公法、比較法総論的テーマについて、関連する国別の報告を受けてそこから比較法の結論を導き出そうとする試みです。すでに述べたように、日本の法学研究者は――好むと好まざるとにかかわらず、そして私自身はこれを僥倖と受け止めていますが――現在でもほとんどが外国法研究者でもあります。しかし、多くは語学的な問題もあって一国の研究者であり、本当の意味での比較法研究者とは言えないように思います。こうした弱点を補うものとして、比較法学会総会シンポジウムの各国別報告とその総括があります。もちろん、これが法史学、法社会学、法哲学の成果を十分にくみ取った、現代の要求水準に達する背反的な比較法学になっているかは、心もとないところがあります。しかし、それを追及し続けていることは確かです。
     その他に、個別報告とミニシンポジウムがあります。ミニシンポジウムは、かつては英米法や大陸法や社会主義法といった地域的なまとまりを基盤とするものでしたが、近年は地域を超えてテーマによってまとめられるものも多くなりました。また、分野的にも、行政法や刑事法をテーマとするミニシンポジウムも増えています。個別報告は、英米法部会、大陸法部会、社会主義法・アジア法部会ごとに行われていますが、テーマを選んで部会をサーフする会員の姿もまた一般化してきました。
     20世紀以降の比較法学の主要な課題は、統一法あるいは共通法の探求にあったということができましょう。20世紀末からのヨーロッパ統合の進展、経済のグローバル化の進行の中で、この傾向は一層強くなったようにも見えました。しかし、現在は、周知のようにヨーロッパ統合やグローバル化に対する反動も大きくなってきました。ここで出てくるさまざまな問題と格闘することが現在の比較法の主要な課題の一つだと思います。とりわけ、われわれにとって身近なアジアの研究が重要だと思います。
     広く会員の意向を伺いながら、今後とも本学会の発展を図ってまいりたいと存じます。皆様の忌憚のないご意見を、是非お寄せいただきたいと思います。

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