第48回日本小児外科学会学術集会

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会長挨拶

第48回日本小児外科学会学術集会の開催にあたって

第48回日本小児外科学会学術集会　会長
昭和大学医学部外科学講座主任・同　小児外科学部門　教授
土岐　彰

この度は、3月11日の東日本大震災という、未曾有の大災害で多くの方々が被害に遭われました。ここに謹んで心よりお見舞い申し上げます。また、被災地域での医療活動に日夜取り組まれておられる先生方に深く敬意を表します。 被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

4月、5月の学会並びに研究会は全国的に中止あるいは延期とならざるを得ない状態でしたが、7月に予定している本学術集会をどうするかについて、多くの方々から貴重なご意見をいただきました。そのほとんどが、こんな時だからこそ積極的に学術集会を開くべきであるとの内容でした。最終的には、本学会理事会に方針を委ねるかたちとなりましたが、何とか明るさを取り戻すためにも、疲弊してはならないとの意見から、開催する方針となりました。皆様のご協力をお願いする所存です。

改めまして、この度は、第48回日本小児外科学会学術集会を開催させていただくことになりました。昭和大学では、はじめて本学術集会が開催されることになります。大変光栄に存じあげます。学術集会は平成23年7月20（水）～22日（金）の3日間、お台場にあるTFT（東京ファッションタウン）ホールで開催致します。夏場の節電はやむを得ない事情です。当日の冷房設定も例年より高く設定される予定ですので、省電力にご協力いただき、Cool Biz（ノーネクタイ）を推奨致します。当日はロゴマーク入りのポロシャツを販売する予定ですのでご利用下さい。なお、この収益は被災地支援のために全額寄付致します。皆様のご理解を賜りたいと存じます。

さて、近年の少子化でますます小児の人口が減少し、このままで行くと2050年に高齢者が全人口の49％に達する超高齢者社会となります。この貴重な子供たちを大切にすることを目指して、第48回学術集会のテーマは「こどもは、未来へのかけ橋　Children; Bridge into the Future」と致しました。子供たちが医療の面で安心して暮らせる社会に貢献すべく、われわれは、このかけ橋の橋桁となって頑張りたいと思っています。

特別講演として、日本ユニセフ協会大使のアグネス・チャン様、ロサンゼルス小児病院の嶋田博行先生、Chang Gung UniversityのJiin-Haur Chuang先生、（株）ワーク・ライフバランス代表取締役の小室淑恵様にお願いしました。また、特別企画「先達に聞く；小児外科栄養の歴史」として、日本の外科栄養学を牽引してこられた小児外科の先達の先生方に苦労話を交えて、その歴史をお話願うことと致しました。さらに今回は、今後日本の小児外科が進むべき方向性を出せればと思い、とくに問題になるであろうワーク・ライフバランスと地域の小児外科活動の問題点に焦点を合わせてみました。

応募いただいた演題数は招待演題を含めて600題を超える過去最高の数となりました。有り難うございました。

教室員一同皆様のご参加を心よりお待ち致します。皆様方の温かいご支援とご協力をお願い申し上げます。

「頑張れ！日本。」　「頑張ろう！日本」

昭和大学小児外科学教室の紹介：

昭和大学小児外科学教室の母体となる外科学教室は、1930年に石井吉五郎教授のもとに創設されました。その後1957年に村上忠重教授が第一外科を、1961年に石井淳一教授が第二外科を創設しました。その一部門として、入江邦夫助教授を迎え、小児班が誕生したのが1964年で、ちょうど日本小児外科学会の発足時期と一致しています。その後、２つの外科が統合され、1967年に昭和大学医学部外科学教室となりました。

小児外科の診療体制が整ったのは1970年で、その後、1982年に日本小児外科学会認定施設となり、1987年に小児外科が診療科として認められ、岡松孝男教授がその初代診療科長に就任されました。2004年から私が後任となり、2008年から完全講座として昭和大学医学部 外科学講座 小児外科学部門がスタートしました。

現在、昭和大学小児外科は、昭和大学病院、昭和大学藤が丘病院、昭和大学横浜市北部病院の3つの小児外科グループが1つとなって小児外科診療グループを形成し、横のつながりを重視した診療を行なっています。