移植者の声
田村修一さん60代男性/献腎移植(2008年頃)
献腎移植希望登録の勧め

血液透析17年、献腎移植6年目の63歳です。
透析を始めた時、献腎移植は宝くじに当たるような確率なので、透析しかないと思い必死に耐え抜く覚悟でいました。しかし当時の透析病院や医療連携先の大学病院から移植に関する情報提供を受け、1つくらいの夢のつもりで透析導入1年目に移植希望登録をしました。今思うとこれが良かったです。
献腎移植は今の情勢ではなかなか順番はこない訳です。
私も登録から16年目の移植でした。しかし移植をやるか、やらないか?移植の知らせを電話で受けたその時に決めます。逆にその時でしか決められないのが献腎移植だと思います。だからこそ登録はしておくことが良いと思います。
透析は対症療法に思えますが腎移植は現時点では唯一の根治治療ではないでしょうか。心を閉ざし頑なに考えてしまう透析導入期、積極的に腎移植についても情報提供してくれる医療機関に身を置いておくことも大切だと思います。
腎移植が救ってくれたのは私1人の体だけではなく、家族全員の心の腎不全をも救ってくれたのだと思い、それが一番嬉しかったと感じています。
最後に紙面をお借りして献腎をしてくださったドナーの方とドナーファミリーに改めて感謝の気持ちをお伝えしたいです。
平成26年3月 田村修一