情報化社会への移行に伴い、学会事務においてもIT化の必要性が唱えられて久しいですが、学会においては、その独自性からかIT化の進捗状況はまちまちです。
IT化が思うように進まない原因としては、1. コストの問題(システム構築・維持費が高額)、2. セキュリティの問題(Web利用における危険性)、3. 普及の問題(紙媒体や郵便への信頼性がいまだに優位なケース)が挙げられます。
1.コストの問題
いくつかの大規模基幹学会でのみ、ほぼIT化が実現されたケースが見受けられますが、それには潤沢な資金の裏付けがあることは言うまでもありません。メーリングリストやメール一斉配信などをはじめ、ホームページ上での入退会・登録情報変更・会費決済、会員用サイトの構築、さらにオンラインストレージの活用やWEB会議などのシステムを学会独自にカスタマイズした形で整備するには、やはり相当のコストがかかります。
2.セキュリティの問題
学会の会員データベースは、当然ながら個人情報を含みますので、その管理には高いセキュリティが保証されていなければなりません。各学問分野の専門家集団である学会の会員データベースは名簿としての価値が高く、流出や売買等のリスクに常に留意する必要があります。
特に、WEB上で入会・登録情報変更など会員情報をやり取りする場合、会員名簿を会員に配布している場合などは、会員のプライバシーを守るための適切な措置が必要です。
3.普及の問題
現在、スマートフォンの普及もあり、インターネットの人口普及率は83.0%*1?となっております 。学術の世界での普及率は更に高いと予想されますが、一方、世代による利用率の格差はいまだに存在する*1 と言われておりますので配慮が必要です。また、案件によっては紙媒体を採用した方が合理的な場合もあります。
*1 総務省「平成28年通信利用動向調査」
学会支援機構のご提案 1
汎用データベースシステムの利用:
当機構で構築した会員データベースシステムを通じて、会員各自がオンラインで所属学会の入会・登録情報変更・年会費残高閲覧およびクレジットカード決済などを行えます(各学会ホームページからリンク)。多数の学会のデータベースを一括管理することによって、低コスト化と合理化を実現しています。また、セミナーや学術集会等においては、会員データベースとリンクした演題登録・事前参加登録システムもご利用いただけます。
高いレベルでのIT化を低コストで実現可能です。
学会支援機構のご提案 2
セキュリティ体制:
当機構内のネットワークと外部ネットワーク(インターネット)の間にはファイアウォールを設置、Web上での会員情報のやり取りは、SSL/TSLによる暗号化、認証システムを用いて行い、さらに当機構内部でもアクセス制限の設定を行っています。 また、各学会および当機構のプライバシーポリシーにしたがい、学会に「必要な情報」のみを収集し「必要な目的」のみに使用します。
学会の会員情報を守るため、万全のセキュリティ対策を施しています。
学会支援機構のご提案 3
デジタルとアナログの使い分け:
オンラインシステムは便利ではありますが、ツールの一つに過ぎません。また、電子化・オンライン化できない、もしくはすべきでない案件も存在します。そうしたケースや、非IT志向の会員に対しては、別途、郵便やFAXなどでフォローいたします。
一方、理事会・委員会や学術集会など学会内の個別グループの活動では、メーリングリストや各種クラウドサービス等を積極的に導入する場合も多く、ご要望によっては当機構が情報センターとして機能いたします。
IT化に偏らず、案件やグループの性格に応じて最適な手法をご提案いたします。