臓器移植Q&A

心肺同時移植心肺同時移植

移植対象者

どのような人が心肺同時移植手術を受けられますか?

亡くなられた方と、そのご家族の尊い善意で提供された心臓を移植するわけですから、心肺同時移植を受ける人は、現在の医療で心肺同時移植以外の方法では助からない人に限られます。つまり、他に治療方法がある方は、心肺同時移植の対象になりません。

わが国では臓器を提供される方が欧米に比べて少ないので、心肺同時移植を必要とする人は、原則的に心臓も肺も移植以外に治療法がない場合に限り対象者となります。
したがって、心臓と肺の両方の内科系および外科系の医師が集まって慎重に検討した上で、これまでの治療だけでは心不全または呼吸不全が改善しないと予想されたときに、心肺同時移植を受けるべきであると判断します。

また、さまざまな薬剤や埋込型の除細動器(不整脈が出たときに自動的に電気刺激を行って不整脈を治療する器械)を植え込んでも治らないような重症な不整脈(心室頻拍、心室細動等)を持っている重症呼吸不全や高度肺高血圧の患者さんも、心肺同時移植の適応と判断される場合があります。

個々の疾患については後で説明しますが、心肺同時移植でないと助からないような重症の心及び呼吸器障害に陥る病気には、重症の特発性心筋症や複雑な先天性高度心奇形の患者さんで重症呼吸不全や高度肺高血圧を合併している方、逆に重症呼吸不全のある肺疾患、たとえば肺線維症や間質性肺炎で、重度の心不全を合併している方などがあります。

執筆:福嶌 教偉・大石 久

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